長崎を識らずして江戸を語るなかれ
【書 名】長崎を識らずして江戸を語るなかれ
【著 者】松尾 龍之介
【発行所】平凡社新書
【発行日】2011/01/15
【ISBN 】978-4582855654
【価 格】798円
喜望峰をまわってアジアに到達するルートはポルトガルなどにおさえられているので、スペインはアメリカのマゼラン海峡経由でアジアを目指します。ヨーロッパから東に向かう船と西に向かう船が長崎に到着するので、地球が球体になっていることを江戸時代の人はしっかり理解していました。日本との貿易を独占するためにいろいろと駆け引きが行われ、最終的にはオランダが残り出島で貿易が始まります。
ヨーロッパではオランダがフランスに占領され、交易船が出せない時があります。そこでアメリカ船を雇って、バタビアから出島へ荷物を運びます。日本側ではアメリカ船なので問題になりましたがオランダの荷物を運んでいるし、オランダの国旗を掲げているので認めます。この時の船長がアメリカ人のスチュアート。長崎でも人脈ができ、これに味をしめて、今度はアジアの物品を載せて長崎に向かいますが、拒否されます。「以前と同じようにアジアの荷物で、船も同じなのになんで?」というのは説得力がありますが、結局はダメ。なかなか面白い人物がいたんですね。他にもフェートン号の顛末など、おもしろい長崎ならではの歴史が掲載されています。
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