江戸将軍が見た地球
【書 名】江戸将軍が見た地球
【著 者】岩下哲典
【発行所】メディアファクトリー新書
【発行日】2011/8/29
【ISBN 】978-4840142182
【価 格】777円
家康の時代、漂着したウィリアム・アダムズ、ヤン・ヨーステンなどの指南で朱印船貿易を行い幕府に収益をもたらしました。2代将軍秀忠の時代となり家康の施策を踏襲した2代目イメージが強いのですが武家諸法度、禁中並公家諸法度を制定して大名と朝廷への締め付けを行うなど手腕を発揮しています。当時、東アジアではスペイン、ポルトガル、オランダ、イギリスがパイ取り合戦を行っており、いろいろな事件が起きています。1623年、インドネシアでオランダ人によるイギリス商館襲撃事件が発生。イギリス商館員が殺されましたが半分ほどは警備のために雇われた現地在住の日本人でした。傭兵だったようです。日本の朱印船もスペイン船に砲撃されたりもして、秀忠は長崎に入港していたポルトガル船の抑留を命じます。当時、スペインとポルトガルは同じ国王で連合国でした。海外事情が日本によく伝わり秀忠もよく知っていました。
実際、宣教師を送り込んで植民地にしてしまうような意図もあったようでやがてイエスズ会とポルトガルとは絶縁することになります。イギリスは東アジアから手をひいてインドに専念していたので残ったのがオランダ。結果的にオランダと南蛮貿易を出島で行う形となりました。
情報が長崎という窓口に狭められたため、幕末にペリー来航などの情報もオランダからもたらされましたが複数の情報チャンネルがないため、オランダの情報を信じるか、信じないかのような状況になってしまいます。歴代の将軍が海外事情とどう向き合ったのか掲載されています。
| 固定リンク
コメント