信長の城
【書 名】信長の城
【著 者】千田 嘉博
【発行所】岩波新書
【発行日】2013/01/22
【ISBN 】978-4-00-431406-6
【価 格】840円
巻末には索引や参考文献が整理されて載っています。日本の本では珍しいですね。
信長が生まれた勝幡城、拠点となった那古野城、清州城、小牧山城、岐阜城、安土城が紹介されています。
■勝幡城
日光川が城跡の半分を通るように付け替えられ城跡はすっかり失われてしまいましたが、航空写真を見ると虎口(城の入口)に通じる道が今も住宅地に残っています。織田信秀や信長が歩いた道です。
■小牧山城
勝幡城などは以前からあった城ですが、信長が自分の考えで築城したのが小牧山城です。安土城の先駆けとなるまっすぐの大手道。ただし本丸近くになると防御機能が高まり、信長を中心とした城という考えで作られています。重臣による集団統治型ではなく信長によるトップダウン統治を追及した城でした。城下町を整備しましたが、丹羽長秀などは城から離れたところの館に住んでおり、重臣との関係は完全なトップダウンにはなっていませんでした。
■安土城
安土では周りの市場などを集約して一極集中の城下町を作りあげました。ただ城には重臣の屋敷が整備されましたが妻子などは国元におり、重臣が安土に出てきた時の宿泊所のような位置づけだったようです。
信長の城がどう変遷し、自分の理想を城という形で実現したかがよく分かる本で、最新の考古学の成果もふまえています。
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