出雲と大和
【書 名】出雲と大和
【著 者】村井康彦
【発行所】岩波新書
【発行日】2013/1/22
【ISBN 】978-4-00-431405-9
【価 格】840円
副題が「古代国家の原像をたずねて」。現地を実際に訪問し考察していて、説得力があり楽しめます。
不思議なことに大和の中心である三輪山の神様は大物主神という出雲の神様。探せば他にも出雲神が祭られた神社があります。面白いのは邪馬台国の場所で奈良盆地の中心部、田原本町に比定しています。ここに「大字なし」と書かれた土地があり、ここが中心部ではと類推しています。
魏志倭人伝に四官が出てきますが、伊支馬(イコマ・生駒)、弥馬升(ミマス・葛城)、弥馬獲支(ミマキ・三輪)に比定し、これらは田原本町を取り巻く地域。それぞれ出雲神が祭られていて、物部氏、鴨氏、大神氏が支配する土地でした。つまり邪馬台国を作ったのはこれら出雲系氏族。やがて大和朝廷になりますが、邪馬台国とは連続しておらず神話で言う国譲りが行われた模様。
他にも出雲国造の話など満載で、楽しめる一冊です。
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