本当は謎がない「幕末維新史」
【書 名】本当は謎がない「幕末維新史」
【著 者】八幡 和郎
【発行所】ソフトバンク新書
【発行日】2012/09/25
【ISBN 】978-4-7973-7118-5
【価 格】760円
幕末維新についてけっこう面白い見方が書かれています。
坂本龍馬と言えば土佐の郷士で大河ドラマでも郷士が上士からいじめを受けるシーンが出てきますが、実際は違っていたようです。関ヶ原で負けた大名の家臣は基本的に採用なし。土佐
は長宗我部の旧臣を温情で採用し、これが郷士です。しかも士族と農民の間ではなく上士と下士の間が郷士でした。テレビのイメージなどとは違っていたんですね。
徳川慶喜はいろいろ変節したように言われますが、どうもそうではなかったようで、徳川の領地を返せと言われた時もあわてず、時間をかければ同情論が出て落としどころが決まるだろうと踏んでいて、実際にそういう動きになったのですが西郷隆盛が江戸で無法者を雇って強盗放火などの挑発行為を行い、庄内藩などが薩摩藩邸を攻撃してしまいました。
慶喜はもともと勤皇なので最初から恭順路線でしたが、そうはいかなかったのが桑名と会津。鳥羽伏見の戦いを初めてしまいます。慶喜にとっては最悪のシナリオで、そこで出陣すると宣言して、皆が持ち場に散ったところに、元凶である松平容保兄弟を連れ出して江戸へ戻ってしまいました。そう考えると首尾一貫していたんですね。
坂本龍馬は慶喜を陣営に取り込もうとしていたようで、そうなると困るのが佐幕派。坂本龍馬の暗殺を命じたのも松平容保のようですので、いろいろな見方で幕末を見たほうがよさすです。
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