平城京に暮らす
【書 名】平城京に暮らす
【著 者】馬場 基
【発行所】吉川弘文館
【発行日】2010/02/01
【ISBN 】978-4-642-05688-5
【価 格】1800円
副題が「天平びとの泣き笑い」。発掘された木簡を見ると、昔も今も変わりませんね。
【人事発表】
枕草子にすさまじきものに除目の朝があげられていますが、除目(じもく)とは任官決定。現在で言えば人事発表でしょう。現代でもソワソワして、いろいろうわさ話が出たりしますが、昔も同じでなかには任官運動するために生鰯60匹を贈ったという木簡も残っています。
【藤原仲麻呂の辺】
たまたま造東大寺司で宿直していた経師(写経生)達がたたき起こされて向かった先が内裏。当時の造東大寺司長官が吉備真備で、藤原仲麻呂の乱が起きた夜。結局、行って戻っただけなんですが乱に貢献したということで褒美をもらえたようです。成り行きで巻き込まれて、こんなことがあるんですね。
【校正】
校正作業を行う担当者を「校正」と言ったそうで、奈良時代からある職業名なんですね。
【長屋王商店】
東市、西市がありましたが長屋王家も店を出していて、弁当と酒を出品していたようです。お米がたくさんあったので付加価値があがるように酒や飯に加工していたんですね。お米も笥に入れたようで、今でいうホカ弁ですね。荷物が多いと運搬業もあったようです。
【休暇届など】
役所でも酒が支給されたそうで、酒がほしいという木簡が残っています。それも「二升ばかり」や「一ニ升」とあり二升ほしいと書かないところがいじましいですね。また腹痛だとか休暇願の木簡が残っていますが、中には図太いのもいて無断欠勤もあり、リストを作って呼び出したりしています。呼び出しがあると別の理由をつけて休むなど厚かましいのも奈良時代にいたんですね。
【十条大路】
この本では平城京は九条大路までになっていますが、大和郡山市で十条大路の遺構が見つかり、どうも十条まであったようです。
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