作家の値段
【書 名】作家の値段
【著 者】出久根達郎
【発行所】講談社文庫
【発行日】2010/3/12
【ISBN 】978-4-06-276659-3
【価 格】743円
司馬遼太郎、三島由紀夫など24名の作家の本に関する古書店主ならではの思い出と古書値が掲載されています。古書値は近代文学専門の古書店「龍生書林」大場氏のデータが元で、なぜその価格なのかも載っていて参考になります。
宮沢賢治の「注文の多い料理店」の初版は1000部。売れなかったので100部を印税替わりにもらい、200部を300円で買い取り知人に配っています。「春と修羅」は自費で1000部。もし、これを発売当時に買って、きちんと保存しえおけば今頃、お宝なんですが、そんなことがなかったので稀覯本になってしまったんでしょうね。
大河ドラマになった「樅ノ木は残った」などで有名な山本周五郎ですが、もともとは本人の名前ではなかったんですね。質屋さんで丁稚奉公している時に主人が文学などに理解があり店員が回覧雑誌などを発行していました。この主人のな前が山本周五郎。原稿を送った封筒に山本周五郎方清水三十六と送ったところ、出版社が間違えて山本周五郎と記載して雑誌に載せてしまいました。笑って許してもらった主人の名前を筆名にしたそうです。
銭形平次で有名な野村胡堂。奥さんはハナ夫人と言って親しい同僚に井深さんという女性がいました。ここの子供がしょっちゅう野村家に遊ぼに来ていたそうで、やがて立ち上げた会社が東京通信工業。運転資金が足りなくなると野村胡堂に頼ってきました。この会社は後にソニーと社名を変えます。
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