デフレの招待
【書 名】デフレの招待
【著 者】藻谷 浩介
【発行所】角川oneテーマ21
【発行日】2010/06/10
【ISBN 】978-4-04-710233-0
【価 格】724円
ビールが売れなくなったのは若者がビールを飲まなくなったからではなく、生産年齢人口(15-64歳)が総人口減の前にピークアウトしたからです。働く世代の減少で、需要が減ったたためビールが売れなくなりました。世の中には景気循環論のような期待めいた意見が多く、そうではなくしっかり数字をみて何が起きているか考えようというのが本の趣旨です。
どうすればよいか処方箋も書いてあります。一つは老人から若者への所得移転。年をとると何が起きるか分かりませんので、将来の病院代などに備えて貯蓄し、お金は市場へ出回りません。また長生きしているため、使わずに残った資産を受け継ぐ子供も老人になっていて同じことの繰り返し。それなら税制を変えて、贈与した方が得なようにし若者の所得を増やし、消費にまわるようにすると提唱しています。
もう一つは女性の活用。女性の半分は働いておらず、団塊の世代がいなくなる分を女性に働いてもらいます。女性が得た報酬は貯蓄ではなく、バッグや服など消費にまわしてもらいます。女性が働きに出ると出生率が下がるという意見が必ず出てきますが、統計を見ると働いていない女性の方が子供の数が少なく、働いている方が子供の数が多い結果になっているんですね。ただし、男性の意識、女性の意識、家事分担など乗り越えないといけない問題もいろいろあります。
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