爆笑!大江戸ジョーク集
【書 名】爆笑!大江戸ジョーク集
【著 者】笛吹 明夫
【発行所】中公新書ラクレ
【発行日】2007/11/10
【ISBN 】978-4-12-150261-2
【価 格】760円
花のお江戸のジョーク集を集めた本ですが、ジョークそのものだけでなく現代からみるとジョークのような話も収められています。
■持ち逃げ
幕臣が左遷と思ったのが甲府勤番。懲罰的な人事で命じられたようです。さて、甲府行きを同僚と一緒に命じられた谷口という侍。支度金を受け取って、同僚の分も同時にもらってとんずらしようと出かけると、役人が、それならさっき同僚に一緒に渡しましたという返事。同僚が持ち逃げしてしまったそうで、そんな料簡なんで甲府勤番になるんでしょうね。
■剣客
水戸藩の大名行列が通りかかったところ、行列の徒士が通行人に暴力を働いていて、見かねた寺田宗有という剣豪が徒士を投げ飛ばしました。水戸藩の群がった侍に対しても刀を抜かず次々に投げ捨てていきます。騒ぎに気付いた殿様水戸治保が尋ねると、「一人にやられています」という供の返事に、「すぐに行け」と命じます。「切り捨ててまいります」という供に、「違う。詫びて、名前をお聞きして来い」と命じます。寺田宗有は天真一刀流の祖となる人物で、水戸の殿様は見る眼があったんですね。
この寺田宗有ですが竹光を指していました。貧乏だと言われ、むっとした寺田宗有、竹光で河原の大石を真っ二つに切ってしまったという話が伝わっています。ジョークのような話ですが、そう言われるぐらいすごかったんでしょう。
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