幕臣たちの誤算
【書 名】幕臣たちの誤算
【著 者】星 亮一
【発行所】青春出版社
【発行日】2003/5/15
【ISBN 】4-413-04059-7
【価 格】700円
人材が揃っていた幕府は、ひょっとしたら幕府&雄藩連合の新体制で明治時代を迎えたかもしれません。なぜ、そうならなかったのかを述べています。副題は「彼らはなぜ維新を実現できなかった」になっています。
最後は函館戦争で終わりますが、榎本武揚の助命嘆願を熱心に行ったのが福沢諭吉でした。榎本とはすれ違う時にお辞儀をするぐらいの間柄でしたが、実は妻どうしが縁戚だったんですね。福沢諭吉の妻は若い時に榎本の家に行ったことがあるそうで、それを聞いて福沢諭吉が動きました。
母親に助命の嘆願書の文章を考え、書かせました。効果があったようで面会できました。薩摩の黒田清隆が「海律全書」を訳してほしいと福沢に持ち込んだ時に最初の4,5枚だけ訳して、「これは榎本でないと訳せない」と返答し、黒田清隆が榎本の助命運動をするように仕向けました。
もっとも出牢した後、大臣を歴任した榎本に対して福沢諭吉は「痩せ我慢の説」を出して批判していますから面白いものです。
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