史実を歩く
【書 名】史実を歩く
【著 書】吉村 昭
【発行所】文春新書
【発行日】1998/10/20
【ISBN 】4-16-660003-6
【価 格】680円
作家の吉村氏が知的生産をするために、どう資料を収集しているかノウハウが語られています。特に歴史ものは現場へ行くとヒントや先行して研究している郷土史家がいるんですね。
生麦事件についても生麦村のどこで発生し、切ったのは誰か、リチャードソンがどこで死んだかも解明されています。切ったのは奈良原という野太刀流の名手で、南北朝時代に使われた長くて太い太刀で馬に乗ったリチャードソンを下から切りつけ、その後、肩から切っています。馬の乗った人物の肩を切れるのか疑問に思った作者は、実際の野太刀流を見て納得したそうです。
生麦事件が発端となって薩英戦争が起きますが、イギリス側が3隻の汽船をだ捕して焼いてしまいました。乗組員はすべて上陸されましたが、船奉行の松木と添役の五代はこのままだと、汽船を奪われたと藩からとがめられるとそのまめイギリス船に乗って江戸へ逃げていたんですね。この五代が五代友厚です。
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