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2009/01/18

なぜ弁護士はウラを即座に見抜けるのか?

 【書 名】なぜ弁護士はウラを即座に見抜けるのか?
 【著 者】佐伯照道
 【発行所】経済界
 【発行日】2008/02/05
 【ISBN 】978-4-7667-1055-7
 【価 格】800円

破産管財人として体験したいろいろな事例をもとに、いろいろな手法や反社会的勢力とのやり取りが紹介されています。

■ホテルの再建
和歌山の白浜にホテル川久という超豪華ホテルがありますが、ここの破産管財人も担当していたんですね。従来の法律では事業を継続したらどれだけ利益を出せるかで判断していましたが、毎月経費がかかりすぎ赤字を垂れ流す会社では無理です。

そこで会社を売るとしたらいくらで売れるかという視点で更生計画を考え直します。100%減資を行い、新しいスポンサーに出資してもらい、その資金で更生債権を一括弁済する方式です。初めての方式でしたが1回の配当で終わり、1年以内にスピード解決できます。最初はしぶっていた裁判所も今では一括弁済方式のモデルとして推奨しています。

■一括売却方式
木材の卸会社の再建では、売掛債権の相手先が1千社もあることから回収するだけで何年もかかってしまうことが予想されました。また相手は木材のプロで、クレームをつけて支払わないことも予想されました。時間経過と共に商品は劣化しますので無理もありません。

そこで相手先のほとんどが地場の木材仲買協同組合に加入していることから、この組合と交渉し、額面の85%で売れることにしました。ところが一括売却は法律的にまずいと裁判所から待ったがかかり、結局、最高裁まで話をして了解が得られました。大口の破産処理があっという間にお金が回収でき、スピーディに処理できるということで、こちらもモデルになりました。

杓子定規に法律を運用するのではなく、現場を見て知恵を出すことが肝心です。

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