ドラッカー先生の授業
【書 名】ドラッカー先生の授業
【著 者】ウィリアム・A・コーン
【発行所】ランダムハウス講談社
【発行日】2008/9/25
【ISBN 】978-4-270-00404-3
【価 格】1900円
副題が「私を育てた知識創造の実験室」になっています。現代マネジメントの父であるドラッカー教授の教え子がどんな授業だったのかを再現した本です。筆者は1979年にクレアモント大学院大学の世界初エグゼクティブ向け博士課程を修了しました。薫陶を受けたのがドラッカー教授で、本を読むと実にシンプルな教えなんですね。
第12章に経営者の姿勢について載っています。鉄鋼業界が不況で瀕死の状況に陥った時、ニューコアのアイバーソン社長は人員の削減は避け、まず経営陣の報酬カットを強く打ち出しました。部門長クラスは40%の減俸、経営チームのメンバーは60%、アイバーソン自身は75%のカットを行いました。これだけでは窮状をしのげないとわかると、週5日労働を4日、さらに3日へと切り詰めます。従業員にとっても25%の減俸になりますが、リーダーが大幅な報酬カットをまずしているので、誰も不平をもらしませんでした。
ドラッカーの教えは「リーダーたる者、事業環境や景気などの動向がどうあれ、組織の成果や失敗にはすべて責任を負うものだ」でした。今の金融不況で、雇用責任も果たさず、まずは派遣社員を切っている経営者にぜひ読んでほしいですね。
経営者はどうあるべきか、戦略をどう考えたらよいかドラッカー教授に学べる1冊です。
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