ブラック・チェンバー
【書 名】ブラック・チェンバー
【著 者】H・O・ヤードレー
【発行所】荒地出版社
【発行日】1999/1/30
【ISBN 】4-7521-0107-6
【価 格】2500円
ハーバート・O・ヤードレーという人物をご存知ですか。
第一次世界大戦時に陸軍省所轄のMI-8暗号局(通称:ブラック・チェンバー)を設立し、暗号解読で活躍していた人物です。ブラック・チェンバーというのは「闇の会議所」という意味です。
このブラック・チェンバーですが、国務省からの拠出金を打ち切られてしまいます。当時はフーバー大統領の時代で、国務長官のヘンリー・L・スティムソンが外交文章を盗み見てはいけないとブラックチェンバーを閉鎖してしまいました。
理由は「紳士は互いの信書は読まないものである」と政治の世界ではなんとも牧歌的な理由です。
ハーバートは第一次世界大戦で活躍したことを評価せずブラック・チェンバーを閉鎖されたことに憤慨し、他の国はやっているのにアメリカだけ暗号解読を止めるとは何事だ!、と執筆したのが「ブラックチェンバー 米国はいかにして外交暗号を盗んだか」という本です。
本の中にはブラック・チェンバーの内幕や、ドイツの隠しインク、美貌のスパイなど暗号の裏話が満載で、いわゆる暴露本です。
アメリカでは発表と同時にベストセラーになり、日本でも緊急翻訳されました。なんせ海軍軍縮会議の手の打ちがアメリカに全部漏れていて、手玉にとられたことが暴露されてしまいました。またアメリカ国民はこの本で、暗号解読秘密組織ブラック・チェンバーの存在を初めて知ることになります。
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