新説 桶狭間合戦
【書 名】新説 桶狭間合戦
【著 者】橋場日月
【発行所】学研新書
【発行日】2008/9/22
【ISBN 】978-4-05-403909-4
【価 格】740円
桶狭間合戦は単純なものではなく伊勢湾の制海権をおさえ尾張の封鎖を狙う今川義元とそれを阻止する信長との経済戦争と読み解いています。
■万松寺での信長の奇行
織田信秀の葬儀が行われたのが万松寺で、そこに現れたのが着流しの信長。抹香をつかんで仏前に投げつけるのは有名なシーンですが、背景にあったのは家督争いでした。
信長の強引なやり方についていけない柴田勝家などが織田信勝をまつりあげて葬儀を挙行。後継者認知のための政治的セレモニーでした。
それを否定し、自分こそ後継者としてアピールしたのが信長です。これが有名なシーンにつながったのではというのが筆者の推測です。秀吉が信長の葬儀を主催しましたが、この時に柴田勝家は出席しませんでした。
■大高城から伊勢湾へ
今川義元は上洛を狙っていたのではという説がありますが、この本では伊勢湾に面した大高城に入り、ここから熱田、津島を攻め、信長の経済的拠点をつぶすという戦略目標が真あったようです。
■桶狭間をまず攻めたのは別動隊
織田の主力軍以外に別の街道を柴田勝家率いる別動隊が進み、折からの集中豪雨を利用して今川の別動隊を打ち破りました。この別動隊が今川義元の背後に迫り、織田の主力軍とはさみうちにしたと読み解いています。
桶狭間合戦を再認識させるなかなか面白い一冊です。
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