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2008/01/05

江戸奉公人の心得帖

 【書 名】江戸奉公人の心得帖
 【著 者】油井 宏子
 【発行所】新潮新書
 【発行日】2007/12/20
 【ISBN 】978-4-10-610242-4
 【価 格】680円

副題が「呉服商白木屋の日常」になっています。日本橋にあった白木屋日本橋店の古文書を元に江戸時代の店員の様子を描いています。なかなか大変な面もありましたが、現在とよく似ているところもたくさんあります。

本店のある京都で採用された「子ども」が11、2歳で奉公人として江戸に下ります。故郷に帰れるのは9年目の初登りです。この間に逃げ出したり、病気になったりと大変でした。初登りが終わると手代になります。ここまでは年功序列が基本ですが手代になると年に2回、人事異動があり、いろいろな持ち場を回され、実力主義で役付きになっています。

■掛は大変
お得意さんとの商売では現金取引を奨励していますが、やはり掛が中心でした。そうなると大変なのが掛金回収です。店員は手分けして長期出張に出て掛金回収をしています。またお客さんによって売掛金の限度額を管理していました。相手の経済状況によって限度額の変更も行っておりこれは今と同じですね。

■決算報告
毎年、正月3日から棚卸を行い、新しい帳面へ付け替えを行い、報告書を作成します。個人事業と同じで年単位決算だったんですね。前年末の残った掛を回収し記帳が19日に一区切りすると、これが決算報告になります。書類が出来上がると祝儀袋が店中に出されて、支配役が本店に向けて「御勘定登り」をしたそうです。

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