武士の家計簿
【書 名】武士の家計簿
【著 者】磯田 道史
【発行所】新潮新書
【発行日】2003/4/10
【ISBN 】4-10-610005-3
【価 格】680円
神保町の古書店にかけつけ古文書を手に入れるところからスタートします。これが加賀藩士の猪山家文書でした。加賀藩の御算用者として幕末から明治にかけて克明な資料を残したことで、知られざる武士の生活が分かってきました。
武士がどんな生活をしたか、どんなお金の使い方をしたかほとんど分かっていませんでしたが、借金が多くて大変になった猪山家では一大
決心をして借金整理を始めます。今後は計画的に家計管理しようということで家計簿がつけられ文書が後世に残ることになりました。
猪山家の借金整理では家財を売り払い、不退転の決意を示し、借入先との交渉を行いました。現在の再建計画とやることは同じですね。
■蔵米知行
領地が与えられますが、実際は自分の領地に関係なく年貢が手元に入ってくるシステムになっています。つまり領民は領主の顔を見ることはありません。日本の領主制は領主と土地につながりが希薄な変わった領主制になっていました。
■妻の財産
今、考えている以上に妻の財産権があり、離婚してもさっさと再婚していました。32名の宇和島藩士のうち13人が離婚経験者でしかもバツ2は5人いました。
■猪山成之
幕末から維新にかけて活躍したのが猪山成之です。加賀藩の御算用者でしたが、戊辰戦争時にロジスティックスなどを見事にこなし、人材のいない明治政府に請われて出仕することになります。目をかけてくれたのが大村益次郎で、靖国神社に銅像が建っていますが、この建立に尽力したのが猪山成之でした。
他にも大久保利通が石川県士族・島田一良に暗殺されましたが、処刑された島田の遺骸を引き取りにいきました。なかなか胆力のある人です。、
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