【書 名】続・日本の歴史をよみなおす
【著 者】網野 善彦
【発行所】筑摩書房
【発行日】1996/01/20
【ISBN 】4-480-04196-6
【価 格】1100円
前作
「日本の歴史をよみなおす」の続編です。今回も歴史の常識にまっこうから切り込んでいます。中世というのは歴史で習ってきた世界とはだいぶ違うようですね。
■百姓=農民
これは誤った思い込みで、中国や韓国の留学生が訳すと「普通の人」になるそうです。農民だけでなく小売、サービス、技術者など皆含んでいました。古代から近世まで農人という言葉が使われてましたがいつのまにか廃れてしまいました。
■時国家
前作でも古文書返却の旅で訪れた時国家の話題が出ていましたが、ここは4隻の北前船を持ち、サハリンまで航海していました。また出た利潤を金融業で運用していたそうで、今ならホールディング会社のようなものですね。
この金融業ですがネットワークが張り巡らされ12世紀には国司が出す切下文や切符などの納税令書が金融業者の間で動いていました。現代の手形の原型になります。後醍醐天皇の頃には為替手形が普及していたようです。手数料も距離によって決まっていました。
■荘園の管理は大変
荘園で管理するために代官が任命されていますが、けっこう大変な仕事でした。納入された米や雑穀を市で売りますが、相場ができるだけ高い時に売らなければなりませんでした。運用が悪ければ監査で罷免されるそうです。これではまるでファンドマネージャですね。
国司の使いが来た時などは接待しており、これは必要経費になりました。また報告書を出さないといけませんでしたが、これが何とバランスシートになっていました。江戸の初めの近江商人が簿記を使っていたという話は有名ですが、さらにさかのぼりそうです。
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