失敗学の法則
【書 名】失敗学の法則
【著 者】畑村洋太郎
【発行所】文春文庫
【発行日】2005/6/10
【ISBN 】4-16-770001-8
【価 格】467円
失敗学では「局所最適・全体最悪」という言葉があり、組織文化によって部門の力が強いと全体としては最悪になってしまいます。ジェットコースターの事故が発生しましたが、原因追及だけでなく、なぜそうなったのかを明らかにしないと、結局同じ事故が発生することになります。
失敗からいかに学ぶかについて書かれた本です。
■本質安全と制御安全
巻末に六本木ヒルズの回転ドア事件について調査したドア・プロジェクトの報告が載っています。ドアにはすごい力があり、回転ドアの生まれたヨーロッパでは回転部分が軽くなければ危険という知見がありました。ところがこれが日本には伝わらず見栄えのよさ、密封性が要求され、どんどん重くなっていきました。
安全には本質安全と制御安全があり、制御安全とはセンサーなどで人間に危険がおよばないようにするシステムです。完全な制御は無理なので本質安全が必要です。本質安全とはセンサーなどを使わなくても力の最大値が安全な範囲に収まることで、回転ドアでいえば軽くして人に危害をおよぼさないようにすることでした。
■暗黙知を形式知に
その分野独自の暗黙知があり、これを形式知にしていかなければなりません。機械工学なら「10センチ・1度・1ミクロン」があり10センチの長さの物は温度が1度上がると1ミクロン伸び、温度が上がると精度が狂います。金融では「七と十」という言葉があり、金利7%を福利で運用すると10年で元の金額の倍に、金利10%で運用すると7年で倍になるそうです。
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