宰相の指導者 哲人安岡正篤の世界
【書 名】宰相の指導者 哲人安岡正篤の世界
【著 者】神渡良平
【発行所】講談社アルファ文庫
【発行日】2002/1/20
【ISBN 】4-06-256577-3
【価 格】880円
安岡正篤と言っても若い方にはピーンと来ないと思いますが、昭和史に大きな影響を与えた人物です。今も与えていますね。我々が使っている「平成」の命名者でもあります。
■東大阪へ
近鉄東大阪線・新石切駅から北に行くと阪奈道路の入口があるのですが、ここらへんが善根寺(ぜんこんじ)という土地で、安岡正篤は幼少の頃にここに住んでおりました。
生まれは大阪市内でしたが、父親は商売をやっており、友人の手形の保証人になっており、そのあおりから倒産し、東大阪の善根寺に移ってきました。善根寺のすぐ近くが神武天皇が奈良に攻めた日下(くさか)で、すぐ北が四条畷です。
安岡正篤が幼少の頃に住んだ家が今も残っています。この土地で、地元の碩学に陽明学などの手ほどきを受け、これが大きな影響を与えていきます。
郷土の偉人ということで、東大阪の図書館には司馬遼太郎コーナーと共に安岡正篤コーナーがあります。
■青年思想家へ
一高から東大へ進み、やがて就職せずに、青年思想家として活躍することになります。
特に戦後は、各宰相の相談役として活躍することになります。吉田茂、佐藤栄作、池田勇人、田中角栄、大平正芳、中曽根康弘ら、いわゆる吉田学校です。保守本流の宏池会も安岡正篤の命名です。終戦の詔書の手直しをされたことでも有名です。
昭和史を理解するには欠かせない一冊です。
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