« July 2006 | Main | September 2006 »

2006.08.28

戦国武将の宣伝術

 【書 名】戦国武将の宣伝術
 【著 者】童門 冬ニ
 【発行所】講談社文庫
 【発行日】2005/12/15
 【ISBN 】4-06-275281-6
 【価 格】571円



戦国時代は自分をアピールしなければならない時代でありました。それで旗指物や奇抜な兜などが登場し、一目で誰か分かるような工夫もされました。

戦国武将のエピソードから、いろいろなPI(パーソナル・アイデンティティ)やCI(領主経営の宣伝)の事例を紹介しています。よく知っているエピソードもあれば、はじめて聞くエピソードも多いですね。

■フレックスタイムがあった
武田信玄の居館であるつつじケ崎の館ではフレックスタイム制が導入されていました。家庭に屈託事があれば、仕事に集中できないので、まずそれを片付けてから出て来いということで決められた時間を働けばよいようになっていました。

■法令を読むのは誰?
「一筆啓上 火の用心 お仙泣かすな 馬肥やせ」で有名な本多重次ですが、岡崎奉行になった時に法令を住民が守らないと部下から相談が、法令が書かれた高札を見ると漢字ばかりの文章が、さっそく全部かなで書き、最後に「この法律を守らぬとオニ作左が怒るぞ」と書いたら効果てきめんでした。

■関ケ原の島津の意地
関ケ原の合戦で家康本陣前を突破して逃げた島津義弘ですが、最初は徳川家康に味方するつもりだったんですね。会津討伐に向かう家康から留守の間、伏見城を守ってほしいと言われて行くと鳥居元忠が守っており、一歩も入れない。ここで意地になってしまい、入れないなら攻めるぞと言っている時に石田三成の城攻めが始まってしまいました。というようなことがあったようです。

→ 『戦国武将の宣伝術』

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2006.08.27

これがホンマの大阪人

 【書 名】これがホンマの大阪人
 【著 者】丹波 元
 【発行所】PHP文庫
 【発行日】2006/07/19
 【ISBN 】4-569-66578-0
 【価 格】514円



大阪に住み始めて20年以上。どっぷり大阪人になっておりますが、その生態についての記述です。

■たこ焼き
たこ焼きは菓子か間食か主食か副食か?

難しい問題ですね。「たこ焼きをおかずにご飯を食べる時がある」と言うと驚く人がいますが、お好み焼き定食や焼きそば定食と同じようなものです。

■船場センタービル
阪神高速に下に地上4階、地下2階で堺筋本町から本町にかけて約1キロにわたって続く建物があり、それが船場センタービルです。種々雑多な店が950ほど入っており、600店ほどが繊維関係です。天牛書店も入っています。

この本には規模から言って世界屈指だろうとありますが、そういえばあんな変な建物って見たことがないですね。ガード下のビルというのは東京にも神戸にもありますが、船場センタービルとは似て非なるものですなあ。

→ 『これがホンマの大阪人』

| | Comments (0) | TrackBack (0)

銀の匙

 【書 名】銀の匙
 【著 者】中 勘助
 【発行所】岩波文庫
 【発行日】2006/01/25
 【ISBN 】4-00-310511-7
 【価 格】500円



高橋輝次氏の『編集の森』で中勘助氏の「検印」という詩が紹介されており、元となった銀の匙を買ってきました。奥付を見ると1935年11月30日に第一刷となっていますね。

今も刷が重ねられています。この作品を最初に認めたのが夏目漱石であると和辻哲郎の解説が巻末に掲載されていますが、日付がなんと昭和10年になっています。

前編は幼い日の心象風景をつづった不思議な作品ですが、小さな頃、皆、こんな風だったんだろうなあ。と感じさせてくれる作品です。それにしてもきれいな文章ですね。

→ 『銀の匙』

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2006.08.22

鉄道の謎と不思議に答える本

 【書 名】鉄道の謎と不思議に答える本
 【著 者】博学こだわり倶楽部
 【発行所】河出書房新社
 【発行日】2006/08/01
 【ISBN 】4-309-49623-7
 【価 格】514円



電車にまつわるトリビアの泉を集めたような本です。

■500系のパンタグラフの元になったのは
500系新幹線ですがパンタグラフが風を切る音が強く、開発が難航しました。開発担当者が野鳥の会の会員だったそうで、ひらめいたのがフクロウの羽です。フクロウは音も立てずに獲物に忍び寄ります。羽にトゲがついていて、これが気流をうまくかきまぜて音を抑えるそうです。500系のパンタグラフはこれを参考に突起をつけたそうで、今度、ぜひ見てみよう。

■地下鉄の駅に自動販売機がない理由
地下鉄は道路の下を走っている場合が多く、この場合地下であっても道路法の適用を受けるんだそうです。この道路法に道路に自動販売機を置いてはダメという条文があるそうで、こんな理由からなんですね。

■鉄道車両の寿命
大井川鉄道に行くと、SLよりも昔の近鉄特急が走っていたのに感激しました。寿命が続く限りいろいろなところで活躍しますが、減価償却年数は決まっています。ディーゼル車は11年、電車は13年、蒸気・電気機関車は18年、貨車は20年です。

→ 『鉄道の謎と不思議に答える本』

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2006.08.19

蘇我氏の正体

 【書 名】蘇我氏の正体
 【著 者】関 裕二
 【発行所】東京書籍
 【発行日】2004/11/25
 【ISBN 】4-487-79996-1
 【価 格】1500円



古代史謎解き紀行3 九州邪馬台国編dで蘇我氏は豊岡を開きヤマトに鉄をもたらしたアメノヒボコが祖ではないかという説が述べられていますが、それをもう少し詳しく述べています。

スサノオ アメノヒボコ サルタヒコ 浦島太郎

はすべて一緒で、これが蘇我氏の先祖ではないかという説です。倭から朝鮮に渡り、何代かして、また倭に戻りヤマト建国に力を発揮します最終的にはヤマトに裏切られます。妻となる神宮皇后ともども祟る神へ

何代かして朝廷で復活したため、我蘇り(われよみがえり)と蘇我氏となのったのではという仮説です。 

■山田寺の不思議
飛鳥資料館に山田寺の回廊が再現されていますが、朽ち果てて倒れた回廊が湿地帯で偶然に残ったものです。蘇我石川麻呂が謀反の罪をきせられて自害した寺です。

著者によると回廊が残ること事態が不思議で、廃寺のような状況になれば建築資材として持ち出されたりするはずが、誰も手をつけなかったことになります。祟る蘇我の寺として「さわらぬ神にたたりなし」で近づかなかったために現代まで残ったのではという説です。

→ 蘇我氏の正体

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2006.08.11

大阪人9

財団法人大阪都市協会が発行している雑誌『大阪人9』を買ってきました。この雑誌の編集委員って佐伯順子先生なんですね。以前、『曾根崎心中 色と愛の世界』というテーマで講演いただきました。

古本特集と表題にあったのに惹かれて買いましたが、古本特集以外も面白かったですね。

■がんこ寿司の小嶋淳司氏
がんこフードサービス会長です。あの暖簾の顔ですね。十三に4畳半の店を構えるところからスタートし大成功しましたが、いろいろと社会貢献もしているんですね。なにわ淀川花火大会の事務局を引き受けてサポートをがんこ寿司がやっているとは知りませんでした。

他にも「がんこ高瀬川二条苑」や「平野郷屋敷」など古屋敷を改装して文化や歴史に触れながら食事を楽しめる店を展開しています。「がんこ高瀬川二条苑」はときたま行きますが高瀬川の源流の店で、雰囲気がいいですねえ。

■うんともすんともいわない
カルタの語源はポルトガル語のcart。これをまねて作られたのが「天正カルタ」やがて江戸時代に改良させ、「うんすうカルタ」になったそうです。このカルタに熱中すると話しかけても返事をしないので、うんともすんとも言わないの語源になったそうです。ほんまかいなあ。

■今橋の稲葉医院
名家だったそうで、母方の祖母は会津藩の最後の若年寄、手代木直右衛門(てしろぎすぐえもん)の娘でした。この手代木直右衛門という人物は坂本龍馬を暗殺したといわれる見廻組組頭・佐々木只三郎の実兄だったんですねえ。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2006.08.09

SF魂

 【書 名】SF魂
 【著 者】小松 左京
 【発行所】新潮新書
 【発行日】2006/07/20
 【ISBN 】4-10-610176-9
 【価 格】680円



日経新聞の「私の履歴書」に先日連載されていましたが、それと重なる部分もあります。

■教養が大切
小松左京氏が湯川秀樹氏にインタビューに伺った時にこんな歌を知っているかと言われ

「月やあらぬ 春や春の春ならぬ わが身ひつつはもとの身にして」
きちんと在原業平ですね。と答えたそうです。量子力学では、観察することが極微微小の量子に影響を与えてしまう観察者問題というのがあり、それを歌で表現したんですね。

京大では文や理でなく学際的な知というものがあり、卒業して京大の先生方とつきあううちに気がついたそうです。学際的な知といえば梅棹忠夫先生なんか典型的ですなあ。この本にも随所で登場します。

■ミンパクのきっかけ
小松左京氏がメキシコでメキシコ国立人類学博物館を見学、感激して「日本にもこういうものを作らないと」と言ったのが発端だったんですね。

■あいうえお誕生
かなが生まれたきっかけは梵字でした。梵字は母音と子音のマトリックスになっており、日本語の五十音順のマトリックスは梵字が日本に入った時にできたそうです。つまり当時の坊さんが梵字が読めるようにルビをふるために「ひらがな」を作ったようで、カンニングペーパだったんですね。

→ SF魂

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2006.08.07

編集の森へ

 【書 名】編集の森へ
 【著 者】高橋輝次
 【発行所】北宋社
 【発行日】1994/06/05
 【ISBN 】4-938620-65-0
 【価 格】2500円



創元社時代に編集者として臨床心理学や精神医学関係の書籍をたくさん出されましたが、その本造りを通じたいろいろな出来事などが書かれています。副題は「本造りの喜怒哀楽」になっています。

■原稿を忘れる
著者から原稿を預かり地下鉄の網棚に置いて、寝入ってしまいました。下車駅であわてて降りましたが、忘れたことに気づきすぐ戻り、事なきをえたそうです。それ以来、原稿は肌身離さず持つように心がけているとあります。

よくある個人情報漏洩事件でもこのパターンが多いですからね。

■原稿書き
「注文があり次第、すぐに書いてしまうのです。」寺田寅彦が原稿の書き方について語った言葉です。書いてから、しばらく寝かせてまた書き加えるそうです。

原稿を頼まれた時にこうできたらいいのですが、現実にはこの域になかなか達しません。一度も締切を守らなかったことはないのが自慢ですが

■たこやき
知的生産の技術研究会・関西で講演していただいた熊谷真菜さんの『たこやき』がこの本に2回出てきます。現代風俗研究会から出たユニークな本という点と鶴見俊輔氏が巻末に著者の人となりをいろいろと紹介していて、読んでみようかとさせる例として取り上げらています。

■中勘助の『銀の匙』
中勘助の「検印」という詩に

「思いがけず出た『銀の匙』の十二版
   ・・・・
どうぞこの一萬五千の検印が」

とあり、12版で15000も刷る、とんでもない本だったんですね。

小松左京氏の「日本沈没」が400万部で、刷る時は上下それぞれ5万部でしたので、それに比べたら少ないのですが。(日本沈没の初版はそれぞれ3万でした。)

→ 編集の森へ

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2006.08.01

戦国武将「凄い生き方」

 【書 名】戦国武将「凄い生き方」
 【著 者】小和田哲男
 【発行所】三笠書房
 【発行日】2006/08/10
 【ISBN 】4-8379-7573-9
 【価 格】552円



■小田原評定
ずっと会議ばかりやっていて結論がでないことを小田原評定などと言いますが、本来はすごい先進的なことをやっており、月の2回の重臣会議で決定しており進んだ行政組織だったそうです。

上杉謙信に小田原城を囲まれても大丈夫だったことに安心した面もあり秀吉との戦いでは、これが裏目にでました。また昔から関東の地は京都から独立を志向する風土でもありました。また当初は家康、伊達とも同盟を結んでいて、ほぼ東日本をこの三家が支配し、十分に秀吉に対抗していました。

■天皇の影響
京都近くで行われる戦争では天皇から和睦の勧告等が行われました。ただ関が原と大阪の夏の陣、冬の陣では出ませんでした。家康が京都から離れた関が原で戦ったのは、そういった理由もありそうです。

→ 戦国武将「凄い生き方」

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« July 2006 | Main | September 2006 »