古代史謎解き紀行1ヤマト編
【書 名】古代史謎解き紀行1ヤマト編
【著 者】関 裕二
【発行所】ポプラ社
【発行日】2006/3/8
【ISBN 】4-591-09192-9
【価 格】1300円
古代史にまつわるドラマを軸に奈良を紹介していますが、一連の著者の本と違い、エッセイ風になっていて気軽に読めます。
例えば奈良の名物旅館であった日吉館に20年前に泊まった話が出てきます。八畳ぐらいの部屋に10人ほどが相部屋で雑魚寝する変わった旅館ですが冬というのに暖房設備はなく、おまけに古い建物ですきま風も入ってきます。
消灯時間近くに仲居のおばちゃんが「湯たんぽ」を売りに、常連客が次々に買うので著者も買いますが、著者の有人は「湯たんぽを売りにくる宿がどこにある」と笑い転げて買わずじまい。奈良の底冷えで悲惨な一夜をおくることになります。
■竹取物語
藤原氏の全盛を嘆く貴族が、藤原氏をこき下ろすのが目的で竹取物語が書かれたという話は有名ですが、実在の人物の名前を書いていたんですね。しかも江戸時代の国学者・加納諸平が既に指摘していたそうです。
かぐや姫に求婚する殿方
・石つくり(作)の御子
・右大臣あべのみむらじ
・大納言大伴のみゆき
・中納言いそのかみまろたり(石上麻呂足)
・くらもちの皇子
古代の官僚名簿「公卿補任」の文武5年(701)にそっくりな名前が出てきます。
・左大臣多治比嶋(たじひのしま)
・右大臣阿部御主人(あべのみむらじ)
・大納言大伴御行(おおとものみゆき)
・大納言石上麻呂(いそのかみのまろ)
・大納言藤原不比等
3人はそっくりですが、多治比嶋は一族に石作氏がいたそうです。
くらもちの皇子は藤原不比等の母親が車持氏(くるまもち)の出身で、語呂が似ているからここから隠語的に使ったのではという説です。藤原の全盛期にあからさまにはできなかったようで。
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