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2006/05/04

「へんな会社」のつくり方

 【書 名】「へんな会社」のつくり方
 【著 者】近藤 淳也
 【発行所】翔泳社
 【発行日】2006/02/13
 【ISBN 】4-7981-1052-3
 【価 格】1500円



『Web2.0』が話題となり、事例としてよく登場する「はてな」社長が執筆した本です。

近藤社長は三重県・菰野町の出身で、生徒会での出来事など、この頃のいろいろなルールや取り決めなどに対する疑問が「はてな」の出発点になっています。

例えば田舎には車が来ない交差点があります。では歩行者は赤でも止まるべきでしょうか?

信号を「その場所に居合わせた当事者間の約束事」と考えてしまえば、赤でも進んでもかまわないでしょう。信号を「社会との約束事」と考えてしまうと車が来なくても赤でも止まる必要があります。

ただし本当にその信号が必要なのか、信号のタイミングはもっと短くならないのか考えるべきことはたくさんあります。ところが世の中には適当に決められているルールが意外に多いのではないかが近藤社長の出発点になっています。あまりこういうことを考える人はおりませんので、そこが「はてな」の魅力になっているんでしょうね。

※昔、シンガポールのリークアンユー首相が日本を訪れた時に車窓から見た真夜中の信号で、車が通らない信号でも赤できちんと待っている歩行者に感激して、シンガポールもこういう国にしようと決意した逸話があります。今ではこの「社会との約束事」をしっかり守る日本人も減ってしまいました。

はてなで行われている立ったままで行う会議、「あしか」という進行管理システムなどなどが紹介されています。本当に「へんな会社」なんですね。もっとも読んでいると、「はてな」の方がよっぽどマトモな会社のような気がしてきます。

『Web2.0』では集合知がテーマの一つで、皆で作る百科事典Wikipedia(ウィキペディア)と共に「はてなブックマーク」が事例としてよく紹介されていますが、この本の冒頭に面白い言葉が掲載されています。

『インターネットは知恵を預けると利子をつけて返してくれる銀行のようなものだ』

まさしくそうですね。

また後書きにこの本は大人向けのビジネス書コーナーに置かれるが、本当は高校生や大学生に読んでほしいというメッセージが書かれています。
→ 『「へんな会社」のつくり方』

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» 「へんな会社」のつくり方 [Something Anybody Knows]
「へんな会社」のつくり方 ハッカーと画家同様、ブログに掲載されたエントリーが本としてまとめられたもの。元ネタのブログは 近藤淳也の新ネットコミュニティ論 なのですが、残念ながら過去の掲載文は読めなくなっているようです。ケチ。 内容は近藤淳也氏の考え方やポリシーと、その反映、現実的な具体化例としてのはてなという会社のポリシーであったりサービス、もしくはその提供方法を、著者にして同社代表である同氏のポリシーや考え方、アイデアを根拠に ・どうしてそうなのか? ・なぜそうなったのか? を説明、紹... [続きを読む]

受信: 2006/05/05 18:30

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