江戸お留守居役の日記
【書 名】江戸お留守居役の日記
【著 者】山本博文
【発行所】講談社学術文庫
【発行日】2003/10/10
【ISBN 】4-06-159620-9
【価 格】1150円
江戸時代初期、萩藩(毛利)では幕府や他の諸藩を折衝にあたり江戸留守居役をおくことになり白羽の矢があたったのが福間彦右衛門です。筆まめだった人で膨大な日記『公儀所日乗』を残してくれました。おかげで当時の社会情勢や幕府と藩との関係がよくわかる一級資料になっています。
■藩邸の生活
萩藩邸には2千名ちかくが住み、そのためいろいろと問題が起きます。長屋に勝手に窓を作って、隣の藩と問題になったり、喧嘩をしたりと大変です。由井正雪の乱が起きた時は、藩内にいる同調者の探索まで行っています。
■進物を送り返す幕閣
家光が「贈り物などをもらって知性をにぶらせてはいけない、欲しいのなら私の金庫からもっていけ」と言っていたこともあり、老中・堀田正盛に進物を送っても返却されてきたと日記に記載されています。ただ中には進物をねだるものもいて、これだけはいつの世も変わりません。
■アルバイト
藩士は中間や小物を従えなければなりませんでした。最初は知行地から連れてきていましたが、1年契約で江戸で雇うことが多くなります。やがてアルバイト市場が生まれました。
ただ質の問題があり、供をする時は散り散りにならずにまとまって歩け等、法度が出ています。教育など大変だったんですね。できる中間などはバイト料も高く売手市場でした。
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