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2005/12/26

異才の改革者 渡辺華山

 【書 名】異才の改革者 渡辺華山
 【著 者】童門 冬二
 【発行所】PHP文庫
 【発行日】2005/12/19
 【ISBN】4-569-66547-0
 【価 格】533円



渡辺華山と聞くと絵と蛮社の獄ぐらいしかイメージがわかないのですが、大名家(愛知県の田原藩)の家老として行財政改革を指揮していた人物だったんですね。

改革といっても変わりたくないのが人間の常です。内部の渡辺華山が言っても効果がありません。そこで外部からコンサルタントを招いて、その言葉で改革をすすめていくなど、今の企業経営のようなことをしています。天保の飢饉の時に1人も餓死者を出さないなど実績も出しています。

やがて尚歯会という全国的な飢饉などから窮民をいかに救済するかを議論するような会に加わります。ここには高野長英らも加わっていました。やがて国内問題だけでなく国際状況下の日本はどうあるべきかに議論が発展していきます。ただし会のメンバーはまず幕府ありきで、その枠組みでどうしていこうかと考えていました。

ところが鳥居耀蔵という朱子学オンリーの役人に目を付けられたのが運のツキ、蛮社の獄が起きてしまいます。

■掛け屋
掛け屋というと高利貸しのイメージがありますが、日田の掛け屋はグループ組織になっていて再生支援コンサルタントみたいなことをしていたんですね。

九州の大名へ貸しますが、まず再建計画と貸付金の返済計画も作らせます。そして再建計画の実施には掛け屋の誰かが参加して指導していました。不良債権の多い会社に銀行から出向して再生させる現代とよく似ています。

日田は天領でもあり、代官所があったこともあり、大名も掛け屋にヘタなことをして幕府の耳にでも入れば大変と緊張感をもったようです。

→ 『異才の改革者 渡辺華山』

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