江戸川柳で現代を読む
【書 名】江戸川柳で現代を読む
【著 書】小林弘忠
【発行所】NHK出版
【発行日】2005/2/10
【ISBN 】4-14-088136-4
【価 格】680円
『俳風柳多留』に掲載された川柳をもとに現代と対比させながら紹介しています。
■『傘を半分かして廻りみち』
困った時はお互い様ですが、江戸時代と違い他人のためにわざわざ廻り道までして、傘に入れるようなことはまずありませんね。
雨が振ると日本橋の越後屋では番傘を貸し出していました。『越後屋の前まで傘へ入れてやり』という川柳もあります。越後屋については『にはか雨ふるまい傘を三井だし』があります。
■『子の使い垣から母が跡をいひ』
初めてのお使いという番組がありましたが、江戸時代も変わらなかったようです。
これを横丁のおばちゃんに「おすそわけですが」と言って渡すのよとお使いにやりますが、子供はなかなか言い出せません。垣根から母親が「おすそわけ」と小声で教えるシーンです。
■『三両でもう武士の部に入』
年棒三両一人扶持のくせにでかい面してという意味がありますが、三両一人扶持の三(サン)と一(ピン)からサンピンという言葉ができました。
■『半分は枕へわける五十年』
人生五十年ですが、半分は寝て過ごしている。五十年活きるとは贅沢ではないかという気概があったようです。六本木ヒルズ族とは対極にあるような川柳ですね。「わずかとは人の欲なり五十年」という川柳もあります。
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