古本屋人生 あんなこと こんなこと
【書 名】古本屋人生 あんなこと こんなこと
【編 集】大阪府古書籍商業協同組合
【発行所】大阪府古書籍商業協同組合
【発行日】2004/4/4
大阪府古書籍商業協同組合の創立80周年記念誌という副題がついています。大正13年に組合が始まり、戦前は1200名もの組合員が加盟していました。組合設立とともに創刊された「大阪古書月報」に掲載された中から古書店主が書いたものを選び出し、冊子にしたものです。
現在は秋葉原と同じオタクの町に変わりつつある日本橋ですが、ずらっと古本屋さんが並んでいた時期がありました。そんな時代や夜店の露店から古本屋を始めた話など創業の想い出を書いたものや、中には司馬遼太郎が復員して最初に勤めた会社は生野区の猪飼野にあった新世界新聞社だったいうような、おやっと思う話題が満載です。
■振り
古書店主が文章を書いていますので、市場の話もよく出てきます。ゴヤの画集が出てきた時に、フリが「ゴヤ、ゴヤなんじをいかんせん」と洒落ながら、画集の駆け出しの古書店主に落としてくれたのですが、さっぱりこの洒落がわからない。ゴヤの伝記を読んでも分からない。後に司馬遼太郎の「項雨と劉邦」の四面楚歌を読んで初めて分かったという話。
この本、瓢箪山駅近くの瓢箪山書房で買ってきたのですが、ほかの古書店主による瓢箪山書房店主の紹介が載っていました。東部交換会の会長も勤めているんですね。店にいる風貌からは想像もできませんか、驚いたのは商船大学を出て、一等航海士の免許を持ち、50万トンタンカーにも乗り込んで航海していたそうです。何でまた古書店の店主に。そういえば古書店主の前身の職業は色々だが、前身が元古書店主というのは、ほとんどいないと誰かが書いていました。
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