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2005/07/19

昇龍の影

 【書 名】昇龍の影
 【著 者】衣斐 賢譲
 【発行所】中央公論事業出版
 【発行日】2003/7/10
 【ISBN 】4-89514-207-8
 【価 格】2000円



伊勢の鈴鹿に神戸(かんべ)という名前の土地があります。

戦国時代にここを治めていたのが名門の神戸氏です。神戸氏の祖先は平盛国で、平家が滅んだ時に伊勢にいた平盛国は捕らえられて鎌倉に送られますが、源頼朝はその命を助けました。時代が下り、やがて関を治める関氏になり、ここから分かれたのが神戸氏です。

さて戦国時代にこの神戸が動乱に巻き込まれます。相手は尾張の信長です。神戸氏は破れ、信長の息子である信孝が養子となり、神戸信孝を名乗ることになります。織田氏はもともと越前の織田庄の出身で、本当かどうかは分かりませんが平家の子孫を名乗っており、紋も揚羽蝶で神戸氏と同じです。まあそういったことも背景にあるようです。

追い出される形となった神戸友盛は、信長と蒲生家の仲を取りもったりしていますが、城を乗っ取られた信孝とはそりがあわず、やがて信長によって蒲生家に預かりの身になってしまいます。この後も、波乱万丈の人生が、追い出した信孝も波乱万丈の人生です。

というように戦国時代の神戸城の歴代当主の動きを古文書などから紐解いています。

小牧・長久手の合戦なんて、小牧と長久手が戦いの舞台の印象がありますが、実は神戸やその周辺の戦いで秀吉が勝っていたので最終的に何とかなったという話や関が原の戦いの前に津城での攻防戦が大きな鍵になった話など、あまり日本史で出てこない話題が豊富です。

神戸城は今も石垣だけが鈴鹿の土地に残っています。神戸の織田信孝、津の織田信包、多気の織田信雄と信長が息子を次々と配置し、秀吉も要所と考えていたのが神戸でした。

ところで著者の略歴を見ると鈴鹿市市長もされていたんですね。他にも大黒屋光太夫の本などを出されています。

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