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2005/06/02

司馬遼太郎

 【書 名】司馬遼太郎
 【著 者】谷沢永一
 【発行所】PHP研究所
 【発行日】1996/10/3
 【ISBN 】4-569-55281-1
 【価 格】1456円



司馬遼太郎氏が執筆を始めたのは昭和33年頃です。まだまだ日本人が戦後のショックから立ち直っていなく、暗い世相であった時代に、日本人にはこんなにすごい人物がいたんだと本によって励まし勇気づけたのは司馬遼太郎氏の大いなる貢献です。ということで、亡くなられた時に国葬こそふさわしいと提唱していた谷沢永一氏の本です。

■資料集め
テーマが決まれば神保町で本を集めます。そのすさまじさは伝説になっていますが、中心になったのは神田の高山書店だったんですね。

「これから日露戦争について書くから、日露戦争にちょっとでもふれてる本は全部市場で探して、ドサッと送ってくれ」でしたからね。これで1000万円近い古書が移動したと言われています。

金払いがいいので、有名な作家と全集などが取り合いになっても、古本屋は必ず司馬遼太郎氏の方へ送ったそうです。

■街道をゆく
最初は半年の予定だったそうですね。それが旅に対する日本人のノスタルジーが社会に浮上してきて、それと対話する形となり延々と続くことになったそうです。その司馬氏が亡くなって真っ青になったのが週刊朝日の編集長で、何でも週刊朝日の読者の半分は「街道をゆく」のファンだったそうで、かなりこたえたのでしょう。

■山野博史
対談と巻末の司馬遼太郎著者目録の作成者として名前が出てきますが、近代日本政治思想史が専門の方のようですね。京大の博士課程の時に大阪の桜橋にある浪速書林という有名な古本屋で無給の志願店員として働いていたそうです。日当は無しですが、主人とはその日に店に並べた本で、どうしても欲しい本があれば、店のシャッターを閉めた後で分けてあげるというものでした。先に抜き取るのは営業妨害になりますので。

と言うことで欲しい本は、なるべくお客さんの目を引かないように並べたそうです。そこへ入ってきたのが司馬遼太郎氏のようで...

■ゾッキ本
天下の司馬遼太郎も最初はゾッキ本扱いだったようです。「白い歓喜天」という凡凡社から出ていた本で、ゾッキ本で積んであったそうです。
もったいない!
またこの本が古書目録に出ると必ず平凡社と誤植されているそうです。そんな出版社があるはずがないという思いこみのようですね。

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コメント

そういえば司馬遼太郎氏が「街道を行く(砂鉄の道)」を取材しているとき、和鋼、和鉄の神といわれる金屋子神社(島根県安来市)を参拝したのだが、この神社の風情が中世的であることを残念がっていた。スサノオ神話より想定される古代鉄の古さとでその手がかりを、掴みたかったのかもしれない。地元のものが「ここは戦国時代、尼子と毛利の激戦があって古いものが多く消失した。」との説明に少し残念そうにしていたと日立金属のかたから伺ったことがある。
しかし、最近この地域で弥生時代の鉄器が多数発掘されその量も北九州に準ずるものだという。その時代は実は大和は鉄器がほとんど発掘されておらず、この地がいかに先進地域だったかをうかがわせる話で生きていれば司馬遼太郎氏もさぞ喜んだことだろうと思われます。

投稿: 絲原 | 2008/06/04 21:20

しかし、安来は興味深いところですよね。「坂の上の雲」関係で日露戦争のことを調べているのですが、出雲風土記に安来ことが載っていて、出雲四大神の一柱野城大神がまつられていたとか。司馬遼太郎はこの神を部族神とした子孫があの有名な乃木大将だと指摘しています。

投稿: ミネルバ | 2009/12/01 00:35

やはり古事記神話の謎は天皇礼賛だけではないいびつな構造をしているある種の正直さが心惹かれるのでしょう。
古事記神話の構造をザックリいうと高天原の2度の地上への介入がその構造の中心となっている。1度目はイザナギとイザナミがオノゴロ島を作り、国生み神生みを行い、次にイザナミのあとを継ぎスサノオが
根之堅洲国で帝王となる。第二の高天原の介入はアマテラスによる九州への天皇の始祖の派遣とそれに続く天皇を擁する日本の話でこれは今も続いている。
これらの2度の高天原の介入に挟まれた形で出雲神話がある。天皇の権威を高めるのに出雲があまり役に立たないのに古事記で大きく取り上げられている。その神話の構造の歪さに我々は心を惹かれる。
たとえば天皇も大国主も大刀(レガリア)の出どころはスサノオでありその権威の根源を知りたくなってしまう。そうなると島根県安来市あた hりの観光をしてしまいたくなる。

投稿: 古事記ファン | 2020/10/09 04:55

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