日本国ロンドン村
【書 名】日本国ロンドン村
【著 者】林信吾
【発行所】マガジンハウス
【発行日】1994/11/24
【ISBN 】4-8387-0591-3
【価 格】1500円
筆者はロンドンでひょんなことから日本語新聞を出すことになり、その目から見た、ロンドンでの日本人村(日系企業に勤務している人、その家族、ロンドンに根をはやしている人)に関する批評になっています。
批評などもおもしろいのですが、他の話題がけっこうおもしろいですね。例えば
二階建てバスに乗っていると革ジャンを着たパンクの兄ちゃんと姉ちゃんが乗ってきて、前の席に座った。そこまではよかったのでが、男の方が食べ終えたハンバーガの包む紙を肩越しにほってきた。
「僕はこんなものはいらない」と英語で言って二人に投げ返した。どうも日本人だと見て、イヤガラセしているようで男の方がニヤニヤしてもう一度ほってきた。ここまできたら、やおら二人の髪の毛をつかんで(パンクの髪の毛は実につかみやすいそうです)、力まかせ頭を鉢合わせさせた。
そしたら、黒人の車掌が飛んできた。日本人が英国野郎をどつきまわしているところに黒人が止めに入るという実に国際的な風景が展開されたそうです。(著者は空手をやっているそうです)
ロンドンというと紳士の国というイメージなんですが、実際には駐在員が差別を受けた経験がけっこうあるようで、その話も出てきます。
筆者はアルバイトで原稿書きもやっておりダイヤモンド・ビック社の「地球の歩き方・ロンドン編」はほとんどこの筆者が書いたそうです。
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