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2005.04.25

「パンチ」素描集 19世紀のロンドン

 【書 名】「パンチ」素描集 19世紀のロンドン
 【著 者】松村 昌家
 【発行所】岩波文庫
 【発行日】1994/1/17 
 【価 格】570円 



「パンチ素描集」を読んでいると、おもしろい話が出ています。

19世紀のイギリスでは女性のスカートは末広がりというか実に大きなもので中には金の枠が入っておりました。クリノリン・スタイルというのですが8年ほどビクトリア朝時代に流行したようです。

少し前の1851年に初めての万国博覧会がロンドンで開催され(水晶宮で有名)、アメリカから禁酒運動とフェミニズム運動の指導者として有名なアミーリア・ブルーマとその一行がイギリス女性に対する啓蒙運動のためにイギリスに来ました。

当時としては奇妙な格好でイギリスに来たため、風刺でパンチに載ることになりました。短いスカートとパンタロンを組み合わせたようなスタイルでイギリス女性にはショッキングな格好でした。

最初の考案者はアメリカのリビー・スミスという人で人づてにブルーマ夫人に伝えられて、ブルーマ夫人が編集していた雑誌「ザ・リリー」に載せたところ大反響でブルーマーズという名称が生まれたそうです。

ただイギリスでの流行は6カ月ももたなかったようで、その後にはまったく機能的でないクリノリン・スタイル大流行となりました。アメリカでもブルーマ・スタイルそのものは定着しなかったようですが、どういうわけか極東の島国に「ブルーマ」という語が渡来しました。

いつ定着したのかは分かりませんが女学生のスポーツ用パンツをブルーマと呼ぶようになります。もともと1851年の一時期に「パンチ」をにぎわしたアメリカの1フェミニストの名に起因するとは全然知りませんでした。

あとがきによると「パンチ」は1992年まで150年続いたそうで、すごい雑誌だったんですね。

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2005.04.21

わたしの大阪

 【書 名】わたしの大阪
 【著 者】小松 左京
 【発行所】中公文庫
 【ISBN 】4-12-202053-0
 【発行日】1993/11/25 
 【価 格】600円



大阪本です。

作者は日本沈没で有名な小松左京氏です。(1994年5月の梅棹忠夫先生文化勲章受賞祝賀会でお見かけしましたが歳をとられておりました。)

大阪府が全国都道府県の中で一番面積の小さい府であるということをご存じでしたか?人口600万の大阪府の面積は1800平方キロで奈良県の半分で、香川県より小さいそうです。(けっこう大きいと思っていたのですが)

大阪府が国際的な文化賞を創設するとき(今の山片蟠桃賞のことです)司馬遼太郎氏、田辺聖子氏、谷沢永一氏、そして小松左京氏が集まった時に小松氏は西鶴文学賞の案でしたが、司馬氏が国際的な賞として山片蟠桃賞を提案され、賞が生まれたんだそうです。

大阪にまつわる色々な話題が楽しめる本です。

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2005.04.20

東南アジアの屋台がうまい

 【書 名】東南アジアの屋台がうまい
 【著 者】長崎 快宏
 【発行所】PHP文庫
 【発行日】1996/7/15
 【ISBN 】4-569-56914-5
 【価 格】580円



1週間ほど前、タイにいますと著者の長崎さんからメールが届いていましたが、今頃はタイの屋台をまた回っていることでしょう。

本では香港、台湾、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシアの屋台が紀行文とともに紹介されています。

それにしてもなんで屋台で食べるとあんなにうまいんでしょう。飲んだ帰りにラーメンの屋台があると、やっぱり寄りたくなりますね。

シンガポールにはマーライオン近くにサテークラブというマレー風ヤキトリを食べさせる屋台村がありました。最初に行ったのは今から20年以上も前ですね。

丁度ヨーロッパから南回りで着いた翌日に行きました。席に座ると「ヤキソバ?」「ヤキトリ?」とか聞いてくるので「エー、日本のヤキソバが食えるんかいな」と注文したところ、まあそれらしきものではありましたが、サテー(マレーの串焼)やホッケンミーでした。(おいしかったけど)

10年ほど前に行った時は新しくできたニュートンサーカスにも行きましたが、やっぱりサテークラブのようの落ち着いている雰囲気がいいですね。再開発で無くなってしまったのは残念です。

そうそうニュートンサーカスでドリアンを頼んでうまそうに食べていたら、こいつ人間じゃねえぞというような目で見られました。

サテークラブですがビールはもちろん地元のタイガービールで銘柄指定しないとすぐ高いキリンビールを持ってきていました。

大阪では屋台で見るのはラーメン屋ぐらいですね。焼きイモ屋もライトバンだし、やっぱり堤灯がついているような屋台が風情があっていいですね。

「おっちゃん、寒いなあ。酒とソバね!」
「ほい、まいど。今日も冷えまんな 今用意するよって」 

....二八ソバも遠くなりにけり

東南アジアと全然違う話になってしまいましたが(笑)


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2005.04.19

ワーグマン日本素描集

 【書 名】ワーグマン日本素描集
 【著 者】清水 勲
 【発行所】岩波文庫
 【発行日】1987/7/16
 【価 格】520円 



萌え系(アニメ制作会社など)の株価が話題となっていますが、漫画雑誌がいつから始まったか皆さんご存じですか?

万延2年(1861年)今から135年前にイギリスの画家でチャールズ・ワーグマン(当時29歳)が日本を訪れました。ワーグマンは退役軍人で、旅行好きな人物でした。

イギリスの新聞社の特派員として来日し、それ後、日本にいついてしまい1862年に横浜で英文の漫画雑誌を出しました。これが現在の漫画雑誌のスタートとなります。雑誌の名前が「ジャパン・パンチ」です。時事として生麦事件や西南戦争を取り上げていますが、庶民の生活など歴史的資料として価値があります。

このパンチという名前ですが、本家イギリスで1850年に「パンチ」という漫画雑誌が出ており、たいへん人気があったそうで、ここから名前をとりました。

ワーグマンは日本人と結婚して、子供までもうけています。ワーグマンは明治24年(1891年)に横浜で58歳で亡くなっています。横浜外人墓地に墓があり、毎年2月8日のワーグマンの命日にはワーグマン祭があるそうです。

外国人というだけで命をねらわれる極東の僻地にやってきて、当時の西洋人から見た日本人、デッパでメガネをかけた日本人像というのはこの時から作られたのですね。実際メガネが西洋ファッションとして明治時代に大流行したというのがジャパンパンチでよくわかります。当時の風俗資料などを現在まで残してくれた日本人の大恩人です。

イギリス本家のパンチは下記の本が出ています。



 【書 名】「パンチ」素描集 19世紀のロンドン
 【著 者】松村 昌家
 【発行所】岩波文庫
 【発行日】1994/1/17 
 【価 格】570円

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2005.04.18

春の古書大即売会(京都) 5/1-5


書林・其中堂さんから春の古書大即売会の目録を送っていただきました。

■古書大即売会
 5/1-5 10:00-16:50 
  京都市勧業館みやこめっせ(岡崎公園)
  地図はこちら

主催は京都古書研究会です。年々、参加する古本屋さんが増えており、今年は京都、大阪、奈良、岡山の42店舗です。広い大会場にまた古本屋さんがひしめくことになります。

京都で行うせいか学生や外国人の比重が高いのか特徴です。書林・其中堂さんもそうですが、仏教書も充実していますね。あと京都にまつわる本を集めた京都コーナーがあります。

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ベンチャー失敗の法則

 【書 名】ベンチャー失敗の法則
 【著 者】吉田雅紀
 【発行所】国際通信社
 【発行日】2002/9/5
 【ISBN 】4-434-01980-5
 【価 格】1200円



各都道府県と政令指定都市に中小企業支援センターがありますが大阪市中小企業支援センターは堺筋本町の大阪産業創造館にあり「あきない・えーど」という名前がついています

ここの元プロジェクトマネージャが著者の吉田さんです。大阪市の場合は、なかなか面白く、全面的に民間に委託しています。

大阪市の職員が中小企業支援をやっても全戦全敗なので、今度から職員はフロントに徹する。監督は吉田さんにまかせるので、選手は好きなところか

ら連れてきてください。ただプロにまかせるので、試合には勝ってくださいねと頼まれたそうです。

自身もベンチャーを起こされて、結局は失敗しちゃいましたが、その経験なども生かして、支援をされています。

■起業家にとって必要なのはネットワーク
支援してくれる人が最低300名は必要。無ければまずそのネットワークつくりから

■どんどん売って、どんどん利益を上げろ
売上と利益は反比例 回転率が上がると粗利益率は下がる量を販売すると、相手は値引きを要求

■リスク
ペリル(直接原因)とハザード(間接的要因)がある

飛行機の墜落 
 ・ペリル 整備不良、操縦ミス、接触、ハイジャック 
 ・ハザード 教育、モラル、人手不足、判断の誤り

ベンチャー
 ・ペリル 資金ショート
 ・肉体的ハザード 健康(精神的ストレスにも耐えられる)
 ・モラール(士気)ハザード リーダシップ 向かうべき未来を熱く語り、その方針を明らかに
 ・モラル(道徳的)ハザード 競合 常に情報収集、代替プラン
 ・ヒューマンエラーハザード 無知ではダメ 財務、法務、許認可など

■行動を起こす時 MUST→CAN→WANTで考える
 ベンチャー   WANTから考える

 何がやりたいか やるためにはできる力がいるがどう手に入れるか
 スタートしたら皆の期待に答えねばでMUSTになる

著者の吉田さんには2月に知的生産の技術研究会・関西で「アントレプレナー・シップとベンチャー失敗の法則」というタイトルで講演いただきました。

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2005.04.14

辞書漫歩

 【書 名】辞書漫歩
 【著 者】惣郷 正明
 【発行所】朝日イブニングニュース社
 【発行日】1978/7/20
 【価 格】1400円 古書価1000円



日本ローマ字会、知研関西支部で開催した「知的生産の技術」発刊30周年記念で梅棹忠夫先生から出ていた人物の名前がこの本に出ていました。

会場の質問「今までは本を読んでの研究が多かったのですが、日本で最初にフィールドワークなどをされた方はどなたですか?」

梅棹先生 「それは鳥居竜蔵という人物です。学歴が無かったということもあったのでですが、奥さんやまだ小さな赤ん坊を連れて蒙古の奥まで分け入りました。現在のフィールドワークはこの先駆者のおかげです。」

■鳥居竜蔵
徳島の小学校を中退して学歴もなく独学で学び、17歳の時に投稿した初論文が「東京人類学会報告」に掲載され、これが縁で上京して東大の標本整理係になります。

学歴がないので、外へ出るしかないと台湾、沖縄に学術調査を行い、28歳でやっとこさ助手になれました。無学歴者には破格の昇進だったそうです。その後、北千島、中国を踏破し、明治35年に世界の種族百一を集めた「世界人種地図」「人種誌」を出版しています。

東シベリア、中国、南米にも足をのばし、明治40年にはキミ子夫人と生後3ケ月の長女幸子を連れて蒙古調査に1年半の大旅行を行います。大正12年に東大助教授、昭和28年に亡くなっています。

60年にわたる著書、論文が12巻の全集として昭和52年に朝日新聞社から刊行されています。

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2005.04.13

定家明月記私抄

 【書 名】定家明月記私抄
 【著 者】堀田善衛
 【発行所】新潮社
 【発行日】1986/2/15
 【価 格】1500円



大阪青山短大の歴史文学博物館で藤原定家の明月記を見て参りましたが、全文を読むのは大変だなと思っていたところ京都の春の古書大即売会でこの本を見つけてきました。

藤原定家は19歳から明月記をつけ始めたそうで、20歳の時に平清盛が死に、平家滅亡、源氏と変わり、その源氏も北条氏へ政権が移る頃の戦乱の時代に書かれた日記になります。

この本が書かれた動機は自分と同じ年に定家は何をしていたのかを折にふれてまとめていたものを出版したそうです。

■宮仕えは大変
地位も今ひとつで出世もできず、荘園は台頭してきた地頭に荒らされる始末。そこで取り立てに暴力団のような僧を雇わなければならない等なかなか切実です。後鳥羽上皇はムチャクチャやっていて、ついていけないという記述もあります。

本来は早朝に出仕して朝儀するところが、この時代はすっかり夜廷になってしまったようです。夕方、出仕して深夜退出ですね。また定家は雨戸の開け閉めまでやっていたようです。

■落書き
熊野行幸にお供したときに、かねて京都で知り合った尼のところに宿の世話になりました。この尼の堂に一首を書きつけたら、「落書きしたら駄目と」尼に叱られたそうで。今ならすごい値打ちものなのですが

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2005.04.12

大いなる邪馬台国

 【書 名】大いなる邪馬台国
 【著 者】鳥越 憲三郎
 【発行所】講談社
 【発行日】1975/5/30
 【価 格】980円 古書値 400円



鳥越憲三郎氏の「神々と天皇の間」「古事記は偽書か」は割と古本屋に並んでいますがこの本は全然見かけませんでした。

出版された当時はよく売れたようですが、古本屋さんにあまり売る人がいなかったのか、そんなに値段がつけられるものでもないので古本屋さんが買わなかったのか、見かけませんでしたね。京都で10軒ほど回りましたが全然駄目でしたね。

先日、東京へ出かけた時にそういえば神田古書センターで土曜日は大概、古書市を開催しているなと思い行ってみるとやっておりました。入口で荷物を預けて会場に入ると、しばらく行ったところにポンと置いてあるではありませんか! 

探し始めて、1年ほどでついに発見です。価格は400円でした。まあ妥当な根付けなんでしょうね。

鳥越氏は邪馬台国東遷説ですので前作と同じように九州の博多近くにいた物部氏が東に向い、大阪から奈良に入り、邪馬台国を作ったが神武天皇に象徴される葛城王朝にたおされて滅亡する話です。

尾張国の尾張氏の系譜になかなか面白い部分があります。最初が物部氏の系譜で後は尾張氏の実際の系譜なんですが、尾張氏は物部氏とはもともと血縁関係は無く(後で物部の分家とできたようですが)、由緒のある氏族の系譜を借りて、自分らの地位をあげる操作をしていたとあります。

物部氏の系譜を借りていたようです。ただ系譜をくっつける所に3代ほど入っているのが日女命、弟彦命、止与命とかで、これは滅んでしまった物部本家のようです。

ここらあたりは、今よく売れている関裕二氏の説とは全然違いますね。

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2005.04.09

今日はローマ字会120周年

梅棹忠夫先生
日本で羅馬字会が創立されローマ字運動が始まったのが1885年(明治18)です。今年はちょうど120周年で記念大会が京都駅八条口の新ミヤコホテルで開催されました。

メインは梅棹忠夫会長による「ローマ字運動の過去・現在・未来」というタイトルでの講演です。梅棹先生は1993年から日本ローマ字会・会長に就任されています。

私も昨年度まで社団法人・日本ローマ字会の理事をしていたのですが、土日に仕事をすることが多くなり今年度からは無理をいって一般会員になっています。

来賓には河合隼雄・文化庁長官などが出席されていました。先週の朝日新聞・夕刊に梅棹先生が登場され、この記念大会の案内も掲載されたため、事務局にたくさん電話がかかってきたそうです。今日も会場が一杯で、ローマ字会会員数よりも多かったですね。(笑)

→ 社団法人・日本ローマ字会

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2005.04.08

大阪の神々

 【書 名】大阪の神々
 【著 者】わかぎえふ
 【発行所】集英社文庫
 【発行日】2003/8/25
 【ISBN 】4-08-747608-1
 【価 格】514円



そういえば、「わかぎえふ」さんには昔、知的生産の技術研究会・関西のセミナーで講演していただきました。
お話だけでなく、傘で演舞までしてもらうなかなか贅沢な講演でした。

■船場での会話

 「儲かりまっか?」
 
 大阪人は皆、こんな挨拶しているように思われていますが実際にはあんまり聞きませんけどね。

 「どないでっか?」や「あんじょういってまっか?」が多いですね。


 わかぎさんによると返事で業況が分るそうで

 「さっぱりやわ」 (何とかやってる)
 「あきませんは」 (普通)
 「ぼちぼち」   (そこそこ儲かっている

 になるんだそうです。

 また、「考えときますは」と言われたらそれは断られたのと同じだそうです。

他にも玉造や森之宮という「リリパットアーミー」があるあたりのデープな情報が満載です。

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大阪の神々

 【書 名】大阪の神々
 【著 者】わかぎえふ
 【発行所】集英社文庫
 【発行日】2003/8/25
 【ISBN 】4-08-747608-1
 【価 格】514円



そういえば、「わかぎえふ」さんには昔、知的生産の技術研究会・関西のセミナーで講演していただきました。
お話だけでなく、傘で演舞までしてもらうなかなか贅沢な講演でした。


■船場での会話

 「儲かりまっか?」
 
 大阪人は皆、こんな挨拶しているように思われていますが実際にはあんまり聞きませんけどね。

 「どないでっか?」や「あんじょういってまっか?」が多いですね。


 わかぎさんによると返事で業況が分るそうで

 「さっぱりやわ」 (何とかやってる)
 「あきませんは」 (普通)
 「ぼちぼち」   (そこそこ儲かっている

 になるんだそうです。

 また、「考えときますは」と言われたらそれは断られたのと同じだそうです。

他にも玉造や森之宮という「リリパットアーミー」があるあたりのデープな情報が満載です。

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2005.04.05

随筆集・木菟(みみづく)

 【書 名】随筆集・木菟(みみづく)
 【著 者】森銑三
 【発行所】六興出版
 【発行日】1986/11/15
 【価 格】2200円



古本屋でみつけた本ですが、森銑三氏の名前は一般的にあまり知られていません。紀田順一郎氏や谷沢永一氏の本なんかによく出てくる名前なんですが、私も昔は全然知らなくて反町茂雄の関係から知るようになりました。

いい文章を書く人でこの「みみづく」も随筆集になっています。最初に文章の味わい方として泉鏡花のほとんど知られていない作品を紹介されていますが、いわゆる起承転結とかオチがあるような話ではなく淡々としたした中で文章を味わうべきだなんていうのが書かれています。

大学の頃、ローダンやらSFに凝っている時期がありました。ある日、SFだけでは幅が狭いと思い至り、京都にいるんだから、京都を題材にした本を探しては読み始めました。川端康成の「古都」なんて何であんな形で終わるのだろうとかなり悩みました。これは落丁なのか、それとも連載途中か何かでやめたのだろうかとも思いました。布団を暖めて、それがどうしたんだ!というオチのない話なんで、就職してから、再読したら、なるほどと思いましたが、淡々とした文章の味わいというのは本当に難しいものだなと思います。

「みみづく」にはいくつか面白い話が載っています。
・大阪の難波村(昔の話)は葱の産地で、葱のことを難波と呼んだそうです。それから蕎麦の鴨ナンバとなったそうです。
・武庫山 摂津高津の宮(仁徳の頃ですね)より向こうにそびえる高嶺なので向山というのを武庫の字をあてたそうです。今の武庫荘あたりですね。向日町というのも京都から桂川を隔てた向うの町からきているそうです。江戸の向島も同じですね。

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2005.04.04

みんぱくコレクション

 【書 名】みんぱくコレクション
 【著 者】宇野文男
 【発行所】財団法人千里文化財団
 【発行日】2000/3/15
 【価 格】600円



大阪万博の跡地にある国立民族学博物館へ行った時に売店で買ってきた本です。日本の民族学の歴史が簡単に分かる本になっております。

大森貝塚の発見で有名なモースが明治にお雇い外国人教師として日本に赴任し、日本における動物学、人類学、考古学の基礎を築きました。

やがて鳥居龍蔵のフィールド調査などが始まり、東大の人類学教室の収集資料が生まれていきます。また財界人であった渋沢敬三のアチック・ミュージアムを創り、柳田国男や折口信夫などの協力などで充実したものになっていきます。

そして、大阪万博になります。太陽の塔をプロデュースした岡本太郎はパリ大学の民族学科出身で、そこで世界中から民族学資料を集めて、展示をすることに、この当時、京都大学助教授だった梅棹先生も収集の旅に出ています。

万博が終わった後の跡地利用の時に梅棹先生が頑張って実現したのが、今の国立民族学博物館という大学の研究機関+博物館というユニークな施設になっています。

東大の人類学教室の資料やアチック・ミュージアムの資料も収納されて、今のミンパクは出来上がっています。

ミンパクの展示に「桃太郎」を日本の各地の方言が聞ける機械があるのですが、京都編は西陣生まれの梅棹先生がしゃべっているそうです。若かりし、梅棹先生の声が聞けるそうです。

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2005.04.03

古都発掘

 【書 名】古都発掘
 【著 者】田中 琢編
 【発行所】岩波新書
 【発行日】1996/11/20
 【ISBN 】4-00-430468-7
 【価 格】660円



よく近鉄電車で八木で乗り換えて伊勢の方へ行きますが、ランドマークとなるのが耳成山です。この山から南側の飛鳥にむかって広がっていたのが藤原京です。

また西大寺でよく乗り換えますが、このあたりは平城京の都があったところです。この二つの古都について書かれた本です。

●藤原京という名前はない
「藤原宮」という言葉は文献に出てきますが「藤原京」という言葉はありません。当時は「京」や「京師」と普通名詞で呼んでいたそうです。藤原京というのは歴史家の喜田さんが提唱された名前で、これが通称になっています。

●日本書紀の書かれた時期
「評」「郡」はどちらも「こおり」と読み昔の地域の単位でした。「評」は701年の大宝令が施行されるまで使われ、この後は「郡」となることが木簡から確かめられたました。

ところが日本書紀の大化の改新の詔の記述には「郡」が使われており、これは日本書紀を編纂した時の知識によって書いていることになり、日本書紀も注意して読まないと駄目ということが分かったそうです。

●平城京は「へいじょう」ではない。
「へい・じょう」は漢音、呉音の組み合わせでありえず、本当は「ヘイ・ゼイ」か「ヒョウ・ジョウ」のいずれかで呼んでいたはず。

●朝礼、朝廷
平城京では儀式があると、朝庭と呼ばれる広場に整列し、夜明けと共に朝堂の席につき執務をしました。朝礼や朝廷という言葉はここからきているそうです。

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