奥付の歳月
【書 名】奥付の歳月
【著 者】紀田順一郎
【発行所】筑摩書房
【発行日】1994/11
【価 格】1835円
いろいろな本に関する話題が載っているのですが、教えられるところが多い本です。
■語源『ちゃらんぽらん』
「ちゃらほら」の変化した語で『いいかげんで無責任なこと』と辞書に載っていますが、この「ちゃらほら」については辞書に示されていません。著者が読んだ本で語源について書いてある本があり、何とペルシャ語の「チャランド・オ・ポランド」が語源でした。
現代のイラン人はこの「チャランド」だけを切りはなして「いいかげんな」の意味にもちいています。つまり『ちゃんらんぽらん』は外来語だったわけです。イラン人は昔から胡人として日本でもおなじみの民族ですから、かなり昔に伝わったのですかね。
そういえば『ちんぷんかんぷん』は中国語の聞いても見ても解らないという「チンプトン カンプトン」が語源という説があります。こちらは戦争で中国から帰ってきた復員兵などが広めたと聞いたことがあります。
■敬遠
野球でよく出てくる言葉ですが、字を見たら分かるように「敬して遠ざける」という意味で論語が出典です。
孔子に知についてたずねると、「民の義を務め、鬼神を敬してこれを遠ざく、知というべし」と答えたそうで、意味は「人間としての正しい道をはげみ、神霊は大切にしながらも遠ざかっていること」が知ということのようです。
この『大切にしながら』が忘れられ現在の用法では面倒な相手には最初から接触せず、遠ざかるという意味に変わったようですね。
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