森銑三 書を読む野武士
【書 名】森銑三 書を読む野武士
【著 者】柳田 守
【発行所】リブロポート
【発行日】1994/10/13
【ISBN 】4-8457-0938-4
【価 格】2000円
ジュンク堂難波店で一回見かけた時は買いそびれて(他に何冊か買っていてお金が無かった)、それから大型書店に行くたびに探していたのですが、なかなかありませんでした。東京に行った折に八重洲ブックセンターに置いてあって、さっそく買い求めました。
発行所のリブロポートと言うと私の連想では「たこやき」、そして小川道明ですが、民間日本学者シリーズを出しており、その38番目が森銑三です。森銑三は明治28年生まれで昭和60年に亡くなっています。
皆さんもあまりご存じないと思いますが、私も反町茂雄(弘文荘)を調べるまで知りませんでした。戦後に弘文荘を手伝っておられた方ですが戦前は人物研究で有名な方で色々な新たな発表をされています。
大学の先生とかそんなのではなく民間の本当の学者です。永井荷風が「いまの大学の先生なんか、案外無学な人が多いようだね。そこへ比べると、森さんというような人が本当の学者というんだよ」と言った話が残っています。
ただ学歴も無く、それがコンプレックスだったようで一生涯、野武士という気概で学会などと対していました。知的生産の技術研究会の顧問をお願いしている重里先生(現在は大阪産業大学教授)が慶応大学経済学部教授を辞めて、家業のすし屋の店主をされていた時期がありました。重里先生が「私は大学は辞めたが、学者はやめない」とおっしゃていたのも同じですね。決して象牙の塔だけが学者ではありません。
森銑三氏については中央公論から著作集(12巻、別巻1)と著作集続編(16巻 別巻1)が出て、補逸版が3巻出ているはずです。私も図書館で借りて、興味のある人物だけを読んだのですが、平易ないい文章ですね。また随筆もたくさん書かれていて、これは古本屋さんで手に入ります。
谷沢永一氏の人生の叡智でも取り上げられています。
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コメント
はじめまして。
大変おもしろく読書日記をいくつか拝見いたしました。このような本があったのですね。初めて知りました。ぜひ読んでみたいとおもいます。
これからも、御サイトの読書日記を楽しみにしております。
それでは、失礼します。
投稿: 北祭 | 2004/12/19 17:19
北祭さん コメントありがとうございました!
現在ですと、なかなか見つけるのが難しい本ですが、ぜひ探してみてください。
投稿: 水谷 哲也 | 2004/12/20 22:00