« ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏 | トップページ | 読破 »

2004/12/21

伊勢詣と江戸の旅

 【書 名】伊勢詣と江戸の旅
 【著 者】金森 敦子
 【発行所】文春新書
 【発行日】2004/4/20
 【ISBN 】4-16-660375-2
 【価 格】700円



副題に「道中日記に見る旅の値段」とついています。

川越し人足代が70文(約630円)
旅籠代一泊200文(約1800円)

などなど現代の価格に換算して、当時の旅の様子はどんなものだったのかがよく分かります。

■伊勢詣
伊勢の御師(おんし)は今で言うツーリストの元祖のような存在です。

各地に出向いて、伊勢暦を配ったりして講を組織化し積み立てをさせ、それで伊勢詣をする仕掛けを作りだしました。さしづめ旅行券の積み立てですね。

伊勢の手前の宮川の渡しを最盛期には1日15万人もが渡ったそうです。伊勢名物の伊勢うどんは殺到する客に対応するために生み出された日本最初のファーストフードでもありました。
→ 伊勢うどんは日本初のファーストフード!?

伊勢見物の後、京都巡りをする客も多かったようで、伊勢に京都の旅籠の手代が来ていて、荷物を先に京都まで送るサービスもあったそうです。まさに宅配便ですね。これですと客も必ず京都の旅籠に泊まりますので客を確保する狙いもあったようです。

■世界一安全な旅路
護摩の灰はいましたが、道中はけっこう安全だったようです。当然ながら病気で死亡したりということは覚悟の上でした。

当時は子供だけの旅も多かったそうで、色々な道中日記にその記述が出てくるそうです。色々な人の世話になって一回り成長して帰ってきますので、親も積極的に送り出したようです。「かわいい子には旅をさせろ」は本当に文字通りだったんですね。

|

« ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏 | トップページ | 読破 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 伊勢詣と江戸の旅:

« ひとり出版社「岩田書院」の舞台裏 | トップページ | 読破 »