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2004/12/27

渋江抽斎

 【書 名】渋江抽斎
 【著 者】森鴎外
 【発行所】中公文庫
 【発行日】1988/10/25
 【ISBN 】4-12-201563-4
 【価 格】480円



森鴎外の中では渋江抽斎が一番いい作品だなどと折に触れて色々な本などで目にします。ですが鴎外と言うとやっぱり「高瀬舟」「舞姫」ですね。

舞姫と言えば、以前、そのモデルになった女性は従来の説ではなくもっと若い女性という新しい説が出てきたと朝日新聞で報道されていました。

さて、「21世紀に残す本」でしたっけ、あれにも10位で掲載されていましたので古本屋さんで目に付いた時に買って、読み始めました。

読むのには苦労する本です。原文からの引用も多く、けっこう忍耐がいります。エーもうやめよかなと思ったのですが、半分近くを読んだあたりから俄然面白くなってきます。

物語は森鴎外が古書漁りの趣味があり、武鑑を募集している話から始まります。どうも歴史小説を書くための資料にするためのようです。

集めた武鑑を見ていると本に弘前の渋江抽斎という蔵書印がよく出てくるのに気がつきます。同好の士がいるものと見えると調べていくと、どうも医官だったようで、自分と同じではないかとこの渋江という人物を興味を持って調べていくという話です。

途中からは抽斎の話になるのですが、主人公が半分ぐらい本が進んだところで亡くなって、残された奥さんや息子さんが明治を迎えての苦労話が続きます。実はこの息子さんと鴎外が会うことになります。

江戸末期から明治にかけての時代を描いている点が面白いです。慶應義塾ができたばかりで中学の先生をやっていた息子さんも英語を学ぼうと通うのですが、その時代の雰囲気や福沢諭吉の様子など興味深いですね。1回読むと2,3回読み返したくなる本です。ただ、初めの1回を読むのに骨が折れます。

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