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2004/11/09

古本探偵追跡簿

 【書 名】古本探偵追跡簿
 【著 者】青木正美
 【発行所】マルジュ社
 【発行日】1995/1/1
 【ISBN 】4-89616-092-4
 【価 格】3500円



新札に登場している樋口一葉の幻の歌集の話、夭折した詩人「河田誠一」の追跡物語など3編から構成されていますが一番面白いのは「ある詩人古本屋伝」です。

筆者が下町の古本屋を開業していた昭和29年に関西からネオ書房という発行されたばかりの新しい書籍雑誌を安く貸し出す貸本チェーン店が進出してくると大騒ぎになったことがありました。

古書組合で貸本の新しいやり方の指導をすると話があり筆者が参加しました。その時に都崎友雄という人物から色々と説明がありました。この都崎という人物は元古書組合の理事という方で古書月報にも執筆されているようでした。

時代は流れて、ある市場で色々な人の日記に興味のある筆者がある若い詩人の日記を買ってみるとダダイストとして有名な詩人ドン・ザッキの名前がありました。

出版の経過など色々な話題が載っていたので調べていくと世界詩人という雑誌にドン・ザッキー(本名 都崎友雄)とありました。どこかで聞いた名前だな?

そして追跡物語です。

一人だけ知っていたのが本郷落第横丁で有名なペリカン書房の品川力さんでした。品川さんからゲーテ記念館の粉川さんが詳しいと聞いて、また追跡です。

謎解きが推理小説のような楽しさがあります。推理小説と同じで結末をしゃべっては面白くありませんので後は本でお楽しみください。

残り二編の追跡話も面白いですよ。
河田誠一の追跡話では昭和11年の雑誌に載った広告が出てきます。

「詩 月刊 毎月15日発行 定価 30銭 送料 2銭
 執筆者
  高村光太郎 中原中也 田村泰次郎 河田 誠一
  金子光晴 草野心平 宮沢賢治 .....」

何という豪華メンバー! 

この雑誌は結局宣伝だけで出なかったようですが、もし出ていて、それを所有していたら今、一体いくらなんでしょうね。

宮沢賢治などやっとさ評価されだしたまだまだ初めの頃ですし、田村が「肉体の門」で注目されるのももっと後ですので、やはりすごい豪華メンバーですね。そこに入っている今や無名詩人の河田誠一の追跡物語です。

一葉の幻の歌集の話は新聞にも出ましたし、けっこう有名な話です。


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