読書の悦楽
【書 名】読書の悦楽
【著 者】谷沢 永一
【発行所】PHP文庫
【発行日】1998/11/16
【ISBN 】4-569-57213-8
【価 格】476円
どうも読んでいるうちにどっかで見たような文章が!
この本、昔買って読みましたっけ。また二重買いをやってしまいました。 (^^); もっとも前の本は古本屋さんに売ってしまって書棚からは消えております。谷沢永一氏の名前に飛びついて買ってしまったようです。
後書きを見ると単行本でPHPから「読書人の悦楽」というタイトルで94年に出ていたそうです。以前に買ったのはこの本です。これは単行本を文庫にしたもので、タイトルも微妙に変わっております。まあ2回読んでも新たな発見が色々とあるところが本の面白いところで
■谷沢永一氏の本の見漁り方
今、どういう本が出ているのか、出版業界がどういう状況にあるかということを知ろうと、まだ大阪にほとんど大型書店が無い頃に、大阪駅で手荷物を預けて(まだコインロッカーのない時代)旭屋書店をのぞいたそうです。左のポケットに白紙の紙をいっぱい入れて、何か書いたら右のポケットに入れる生活を続けていたそうです。けっこう怪しい客ですね。(^^);
■本の揃え方
・新刊で長く版を重ねる本は手元に置かなくても大丈夫
・部数の少ない学術書でも図書館が有り難がって買う本も大丈夫
他に古書界で大事にされている基本書や限定本も結局は何とかなります。問題は沢山ある関所のどこにも引っかからずに流れ去る雑書で自分に必要な物は見た時に買わないと2度と手に入りません。これは正論ですね。
私も相馬愛蔵の「一商人として」(岩波)をけっこう長い間、探していたのですが、京都の古本屋さんで見つけてからは2度とお目にかかっていません。それ以来、新刊で消えていきそうで欲しい本は必ず買うようにしております。
■新聞の読み方
谷沢氏が恩師に教わったそうで、朝起きた時は一番頭がさえている時で、そういう時に第一義的ではない新聞なんぞは読まなくてもいい、別に新聞を読まなくても不利益はない。朝起きた時には、本職の研究に取りかかるべきだ、新聞なんぞは夕方に頭がボーッとした時に読めばいいのだそうです。これも見識ですね。
■研究の仕方
これも恩師の教えだそうで、万葉集の研究をするにしても、誰も解釈のつかない難解な歌に喰らいつくのではなく、学問というのは足許の草むしりから始めるべきだそうです。誰もが依存のない、訓も解も定まっている和歌に間違いないかどうか再検討するところから学問は始まるのだそうです。
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