街の古本屋入門
【書 名】街の古本屋入門
【著 者】志多三郎
【発行所】光文社文庫
【ISBN 】4-334-70458-1
【発行日】昭和61年11月20日
【価 格】390円
もう20年以上も前になるが、初めて古本屋に入ったのは京都で下宿生活を始めた頃である。丸太町界隈の古本屋に入ると奥でおばちゃんが三味線を爪弾きながら店番をしていた。そのかたわらには猫が寝そべっている。暗く日の光も店の奥には届かない。重厚な本の山がぎっしりと並んだ中で泰然と座って三味線を弾いている姿はなんとも妙である。そこには全然違う時間が流れていた気がする。
「古本屋っていいな!」とそれからずっと思っていた。本に囲まれた生活で悠々自適に過ごすのだ!! 日がな一日本に囲まれて生活できたらどんなに幸せだろうかと(多くの人が同じ思いになるようだが)
時は流れて学生生活は終わり、サラリーマン生活が始まる。
歳月が流れていく中で色々なことがあり、辞表を出そうと思ったことも2、3回ではきかなくなる。その頃はより現実的に独立という考えで古本屋を見るようになる。そして業界の研究(そう大層なものでもない)を始める。
そして、いかに大変な商売かを思い知るのである。まず第一に愛書家は古本屋には絶対なれないのである。どんな本も売買できなければ商売にはならない。
同じように一度は古本屋になろうと考えたあなた、古本屋業界に興味のある方におすすめの本である。
副題が「売るとき、買うときの必読書」となっていますので古本屋に出入りしている方はぜひおすすめです。いやこの本を読むと亭主たるもの店に座っているだけでは駄目で、市場や客買いで遠征したりと本の中に埋もれて生活というのは夢のまた夢とよくわかります。古本屋を開くための準備や経営の仕方も載っています。
というわけで古本屋になるのは、あきらめてしまいました。でもインターネット時代となり店舗無しでやろうと思えば出来る時代にもなってきたのも事実です。でも本を置く倉庫がなあ(笑)
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