古書街を歩く(新版)
【書 名】古書街を歩く(新版)
【著 者】紀田順一郎
【発行所】福武文庫
【ISBN 】4-8288-3246-7
【発行日】1992/3/10
【価 格】700円
知研でもおなじみの紀田先生の著作です。古書全盛時代のデパートでの古書展の様子などが実におもしろく紹介されています。白木屋(現在の東急)などで行われた頃の話です。
開店前すでに100人前後にふくれあがったマニアが、ガラスのドアを押して侵入しようとするさわぎ。「良識ある行動をお願いします」とデパートの係員が叫ぶが、「早く開けろ、ケガ人が出るぞ」の声に圧倒されてしまう。
前方でガラスにへたばりついた者は、じっと店内を伺っている。何基あるエレベータのどれが早いか、それともエレベータを駆け上がるかといった思案をしている。
10時開店と同時に奇声を発して雪崩こんだマニアは2、3人の女店員をなぎ倒すやら、自分たちもツルツルに磨いた床に尻餅つく始末。首尾よくエレベータに殺到さた先頭の一団は眼をつりあげて乗りこむ
やエレベータガールの背中におしくらまんじゅうのようにすがりつく、これは他のところに入ると、奥におしこめられてしまい、目的の階を出るとき4、5秒の遅れをとることになるからだ。
エレベータガールは当然悲鳴をあげる。それをかき消すように、「もう満員!」「ノンストップで7階に直行」などと口々にわめく。
7階。ズラっと並んだ用品売り場の女店員の見守る中を、大の男が追いつ追われつの大レース
古書好きにはたまらない1冊です
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