« 出版その世界 | トップページ | 古本用語辞典 »

2004/10/05

出版幻想論

 【書 名】出版幻想論
 【著 者】藤脇 邦夫
 【発行所】太田出版
 【発行日】1994/5/18
 【ISBN 】4-87233-162-1
 【価 格】1500円

「文化に貢献する。良書を世に問う。」
と編集者が言っても売れなければ読者にとって必要なかった商品でしかないと明確に割り切っていて、なかなか面白い内容です。

書店が行っているベストセラーには漫画も入れて本当に何が一番売れているのかを明示した方がいいというのは一つの見識でしょうね。

92年には大陸書房が倒産し、(倒産していたんですね。全然知らなかった)六興出版も倒産(森銑三の本を出していた出版社でした)と出版界もあいかわらず足腰の弱い状況です。

売れる本の出し方の指南が掲載されていました。

1、上製本ではなく、ソフトカバーで出す。
上製本は売れ始めた時に最後は手作業になるので、大量生産に向かない。箱入は論外。 「磯野家の謎」はある印刷所で毎日5万部作れる機械があったために必要な時に必要部数が供給できた。

2、仮に10万部突破しても、絶対に広告を打たない。

3、著者にきたテレビ出演、インタビュー注文はすべて受けさせる。
  協力しない著者の本はもう増刷しない。

4、内容証明がこようが、週刊誌・新聞で叩かれようが、本が売れている限りは絶対に謝罪しない。そして、売れ行きが完全に止まってから謝罪する。


|

« 出版その世界 | トップページ | 古本用語辞典 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 出版幻想論:

« 出版その世界 | トップページ | 古本用語辞典 »