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2004/09/27

書物の運命 近代の図書文化の変遷

 【書 名】書物の運命 近代の図書文化の変遷
 【著 者】尾崎 秀樹
 【発行所】出版ニュース社
 【発行日】1991/10/16
 【ISBN 】4-7852-0052-9
 【価 格】3000円

巻末に索引がばっちりの本で近代小説の歴史、雑誌の変遷を知る基礎資料になっています。近くの瓢箪山書房という古本屋で見つけました。

面白い話題をいくつか
●山本周五郎
樅ノ木は残った、ながい坂、赤ひげ診療譚で有名な山本周五郎ですが、関東大震災がきっかけで関西に移ったそうです。それまでは東京の質屋・山本周五郎方に勤めており、その店主の名前をとって、後に彼の筆名になったようです。震災は色々な人に影響を与えており、吉川英次は毎夕新聞社に勤めていましたが、これを転機に時代小説作家になりました。

●直木三十五
楠木正成、新説天一坊、源九郎義経の執筆で知られる直木三十五ですが昭和9年に43歳の若さで亡くなっています。文芸春秋で菊地寛が「直木を記念するために、社で直木賞というのを制定して、大衆文芸の新進作家に贈りたい。同時に芥川賞というものを制定して純文芸に贈ろうと思う。」芥川、直木とも菊地の古くからつきあいがあり、また文芸春秋社とも交渉が深かった。それで昭和10年から直木賞・芥川賞が生まれたそうです。今も続いていますね。

●江戸川乱歩
処女作は「2銭銅貨」ですが、何と大阪の守口で書いています。大正11年に父の家へ戻った夏に書き上げたようです。日本の創作探偵小説の第1号になりました。三重県名張生まれで、苦学して早稲田大学に通い、卒業後は貿易商、造船所事務員、古本屋営業、ラーメン屋など色々な職につき、この体験が貴重な糧になったようです。(フリータの元祖みたいな人だな)
 
探偵小説といえば専門誌が昭和8年から4年にわたって出ていたようです。「ぷろふいる」という雑誌で、戦前には面白い雑誌が出ていたんですね。発行所は何と京都市下京区で寄稿も乱歩、海野十三、夢野久作などそうそうたるメンバーです。

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