本は流れる 出版流通機構の成立史
【書 名】本は流れる 出版流通機構の成立史
【著 者】清水 文吉
【発行所】日本エデイタースクール出版部
【発行日】1991/12/25
【価 格】3500円
【 ISBN 】4-88888-182-0
善書堂という京都の古本屋で見つけた本ですが、今の取次会社(東販、日販、大阪屋、粟田などなど)がどう生まれてきたのか、その歴史が分かる一冊です。
本屋の前などに積んであるダンボールの横に日販や東販という文字をよく見かけますがあれが取次です。
本屋商人の誕生(1609年京都室町通近衛町に店を開き、「古文真宝」<宋までの詩文を集めた書で昔、日本古書通信に連載記事が出てました>を開版、販売した「本屋新七」がはじまり)から歴史が書かれています。
明治に出版社の本を小売業者(本屋)へ卸売りするいわゆる取次が生まれましたが、それが東京堂、北隆館、東海堂、良明堂、上田屋の五社です。
大戦中は国策で1社体制の日配(日本出版配給株式会社)が生まれました。大戦中は紙もないし、本も少ないという状態で返本率は0.1%となり、ある月には返本率がついに0という今ではとても考えられない取次の夢が実現されました。
戦後は解体され、東版(東京出版販売)、日版(日本出版販売)、中央社、日教販(日本教科書図書)、粟田が地方には大阪屋、中部出版販売、京都図書、北海道図書、九州出版販売が取次として生まれて現在に至ってい
ます。鈴木書店など他にも色々と生まれましたが鈴木書店は無くなってしまいましたね。
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