« 古本屋の本棚 店主たちのこだわり | トップページ | 古本雑学ノート »

2004/08/11

天理図書館の善本稀書

 【書 名】一古書肆の思い出 天理図書館の善本稀書
 【著 者】反町 茂雄
 【発行所】八木書店
 【発行日】1980/3/1
 【価 格】古書値(2000円ー14000円)

古典籍専門の業者(弘文荘)反町茂雄の「一古書肆の思い出」(平凡社 全5巻)を読むと、よく出てくるのは天理教の真柱(しんばしらと読むそうです)だった中山氏との本の売買の話です。

神田の一誠堂(反町氏が東大を出て丁稚奉公していた店今も神保町に健在です)に東大を出て、天理に帰る学生の中山氏が田舎で読むための本を買いにくるところから二人の親交が始まります。

その後、反町氏は古典籍専門の弘文荘を作り、また中山氏は天理外国語学校(天理大学の前身)の図書を揃えるために本を買いあさります。いつしか図書を揃えるよりも貴重な文化遺産を集めようというスタイルに変わり、業者の反町氏がそれに協力するという形になります。

大戦後の「日本のものは駄目」とかいう風潮の中でも日本の優れた本を買い集めたため、あのとんでもない貴重書や稀書が集まった天理図書館が生まれました。海外で日本の図書館というとまず筆頭に出てくるのが天理で次が国会図書館となっています。(洋書の貴重書もかなりあるそうです)

その図書館がいかに生まれたかを本を送りこんだ業者サイドから書いた本でしてずっと探していましたが回った古本屋などにはありませんでした。天理図書館で「日本の史籍展」をやっているときに図書館で反町氏が寄贈した本を借り出して、やっと読むことができました。

展覧会で見てきたばっかりの重要文化財の「日本書紀」などがいかに見つけられて、どういう経緯で天理に入ったかなど、また個人のコレクションの散逸物語など、「蔵書一代」が身にしみる内容でした。

何とか手にいれるぞ!!

手元に置きたい一冊だと古本屋に行くたびに回ったのですが、ありません。日本古書通信の目録にも載らないし、古本屋のある親父さんの情報では反町氏が亡くなってから反町本は動かなくなったという話でした。

そんなこんなで6カ月ぐらい経過した時、京都の寺町の電気屋街に行ったついでに、もう少し下って(南に行くこと)古本屋を3軒ほどまわると最後の1軒の店番のおばあさんの丁度後ろの棚にあるではないですか。

取り出してみると何と14000円の値札が エーこんなにするの!!たかが10年前の本なのに!! 何せ閉店間際で(シャッタを降ろす所にちょっと見せてと入りました)価格交渉しようにも主人じゃないし、やっぱりこの本出ないのかな しかし高いなあ それでもここで買わないと、次どこでお目にかかれるか と5秒間悩んで結局買ってしまいました。

1年以上探していた本なんで感激でした。高かったけど近くの古本屋の主人にその話をしたら、その本なら売れなかって3年ぐらい前に均一棚に見切りしたことがあるけど、そんなに高くなってんのと驚いてました。

それから半年たって

東京へ行く用事があって、こういう時は仕事が終わればやっぱり秋葉原と神保町です。一誠堂や小宮山書店に寄って神田古書センターの一番上の店からずっと見ていくと、えーある! ある! 何であんの!!

それでいくらなの? 2500円!! 馬鹿ヤロ!!! 何でこんなに安いんだ!! プンプンと思わずその本を買ってしまいました。それが神保町の前田書店でしてこの古本屋、大阪が本店なんですがね

後日談

日本古書通信を見ていると千葉の古本屋が反町本の目録を載せていました。こんなにまとまったのはしばらく見たことがありませんでした。それにもありました。今度はいくらですって? 2000円でした。

ウーン 古書の値は古本屋の各主人が自分の判断でつけるもので14000円にしようが2000円にしようがそら勝手ですが ウーン

よくよく考えてみるとひょっとしたら私は看板を買ったんじゃないのでしょうか。古本屋はその店の風格を出すために固そうな本を店主の後ろに並べます。当然それが風格を出すための店の看板ですので客が買わない値段をつけます。あの14000円もその値段だったのかも。店番がおばあちゃんで主人じゃなかったので「それは看板で売り物じゃないですよ」と言われなくてそのままの値で買ってしまったのかな 

しかし、この本、看板になりそうな本でもないんですがね もう少し固い森銑三著作集とかなら分かりますが ウーン不思議だ

またいつか行ったら一度話を聞いてみよう

|

« 古本屋の本棚 店主たちのこだわり | トップページ | 古本雑学ノート »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 天理図書館の善本稀書:

« 古本屋の本棚 店主たちのこだわり | トップページ | 古本雑学ノート »