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2004/08/23

反町茂雄文集

 【書 名】反町茂雄文集 上 古典籍の世界
 【著 者】文車の会
 【発行所】八木書店
 【発行日】1993/6/15
 【ISBN 】4-8406-9088-X
 【価 格】12,300円(上下セット)

●反町茂雄って?
弘文荘という古典籍専門の目録による通信販売を行っていた古本屋がありました。研究者とか大学とかずいぶんお世話になった古本屋です。昭和の初めに東大を出て、神田に今もある一誠堂で住み込みで小僧になって、この業界に入り、独立して弘文荘を作ったのが反町茂雄氏です。作成していた目録もただの目録ではなく、詳細に内容をチェックして調べたものです。後にある大学の先生が目録の総索引を作成されたぐらいに資料性の高いものでした。国宝や重要美術品になったものも数多くありました。

今もときたま古書市などに目録が出ますが、最低で5000円の値がついています。私も5冊ほど集めましたが、この頃はあまり出ません。谷沢永一氏も生前の反町氏に頼んで研究用にこの目録を送ってもらっていました。

●本を探す
さて、反町茂雄氏の「一古書肆の思い出」全5冊を古本屋で探して買いましたが、その後、ある記事で文車の会(反町氏が作った古本屋の勉強会)から反町氏の文集が出ているというのを見つけて、さっそく旭屋書店や紀伊国屋書店を巡りましたがありませんでした。こういう時はブックサービスを使おうとニフテイから注文しましたが、絶版という返事。

ウー次は八木書店の目録で調べてみようと、駸々堂に頼んで出版目録を取り寄せてみると、最後の在庫切れにしっかりと名前が、後は古本屋で丹念に探すかなと思っていましたが、見つかりません。約1年ぐらい、おりにふれて探しましたがありません。

そうやってあきらめかけていたら大阪駅前ビルにある浪速書林の店の主人の後ろの棚にあるではありませんか。主人に言ってとってもらったら売価が書いてない。これいくらですか?と聞くと、奥さんに聞きにいったようで、今奥さんが読んでいる本で売り物ではないと言われました。

これで振出に戻りました。でも待て待て相手は古本屋だ、きっと読んだら次は売り出すはずだ、ということで網をはることにしました。案の上日本古書通信(昭和の初めからある古本屋、研究者、本好きのための月刊誌)の最後の目録に浪速書林の名前が、目録を見ていくと本の名前がりました。やりましたね!さっそく葉書で注文です。

当時は「BOOK TOWN神田」のホームページが出来た頃で、さっそくホームページで見てみると八木書店にありました!さっそく電子メールで八木書店に送ってみると返事が翌日に来ました。

新刊は品切れ状態ですが、古書部に1冊あるのでキープしましょうか。という返事。浪速書林の方は注文が重複すると抽選になるので、結果が分かるまですいませんがキープしてもらえませんかと返事しました。で、結果は浪速書林から送られてきました。八木書店にはありがとうございましたとお断りの電子メールを 

八木書店さん 本当にあの時はありがとうございました。


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『東西書肆街考』 脇村義太郎著 岩波新書 1976-06-20 この本はⅠ京洛書肆街考とⅡ神田書肆街百年の2部構成になっています。日本最古に書肆街、京都と... [続きを読む]

受信: 2004/08/28 23:55

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