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2004/07/07

古書礼讃

 【書 名】古書礼讃
 【著 者】山下武
 【発行所】青弓社
 【発行日】1986/10/31
 【価 格】1600円

京都で行われた春の古書大即売会で買ってきました。

■朝鮮紀行
明治36年という日露戦争直前に、古本の仕入れに半島に渡った人がいるそうです。風雲急を告げる半島へ渡った一商人の旅日記ということで紹介されていますが、その商人というのが其中堂主人の三浦兼助氏です。一大奇書とありますが、神田ブックセンターのデータベースや紫式部のデータベースで検索しても見つかりませんね。

其中堂というと京都にある仏教書専門の古本屋さんですが、元々名古屋にありましたので、その時代ですかね?

現在の其中堂店主は三浦了三さんです。

■春の古書大即売会
この本を買った京都市勧業館で行われた「春の古書大即売会」の話も載っています。ただし1985年の話です。

東京と違って出品店別に買物の代金を精算とありますので、現在のような真ん中に集中レジがあってそこで精算というシステムじゃなかったんですね。

会場に着くと、空路東京から駆けつけたコレクターI氏の姿が見えるとあり、なかなかの漁書風景だったようです。

■不思議な話
東京外国語学校に招聘されたメートレ教授が来日して、すぐに神保町を歩いていると店頭に積まれた洋書の山に「シーザー」というラテン語の本が出てきたそうです。

教授が子供のときに習った教科書で、懐かしげに表紙を開くと、何と自分が子供の時に使った本そのもので、廻らぬペンで書いた署名も残っていたそうです。

海陸数千里を隔てたロンドンからいつどうやって渡ってきたものか、しかもその本に古本屋の店頭で邂逅するとは、まさに奇遇ですね。


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京都も120軒の古本屋があり、それも個性的な古本屋の多い所としても有名です。ちなみに東京神田神保町の古本屋は170店といわれていますが。その京都の「京都古本屋研... [続きを読む]

受信: 2004/07/08 06:22

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