閑居漫筆
【書 名】閑居漫筆
【著 者】岡茂雄
【発行所】論創社
【発行日】1986/6/20
【価 格】2060円
帯には「本屋風情」拾遺とあります。
岡茂雄は出版会の三茂雄の一人で(他は岩波茂雄、反町茂雄)南方熊楠や柳田国男などとの関係で特に有名です。今岩波から出ている広辞苑もこの人と新村教授がいなければ生まれませんでした。(ここらへんは本屋風情をお読みください。何軒か古本屋さんを回ると見つかります)
この本は本屋風情に載らなかった話などが中心です。おもしろかったのは佐久間象山で、皆さん「しょうざん」と読みますか?それとも「ぞうざん」でしょうか?
佐久間象山が活躍した頃、志士の多くは陽明学の洗礼を受けていましたが、陸象山(りくしょうざん)という先人の名前が響いていました。
佐久間もそこから名前をとったのではないかと言われていましたが、故郷の象山(ぞうざん)という小山の名から取ったので「ぞうざん」が正式の読み方だそうです。
性格的に鷹揚的なところがあるので別に「しょうざん」と呼ばれようが返事をしていたそうで、それで後代に「しょうざん」が広まっていったようです。
この岡茂雄という人は出版界に入る前は軍人だったのですが、その頃の話題も書かれています。
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