« April 2004 | Main | June 2004 »

2004.05.24

世界の古書店


 【書 名】世界の古書店  【著 者】川成 洋編  【発行所】丸善 (丸善ライブラリ)  【発行日】1994/3/20  【ISBN 】4-621-05117-2  【価 格】680円
法政大学教授が神保町でトム・ウイントリガムのEnglish Captainの初版 本を1,500円で見つけました。

珍しい本だと思った教授は、スペイン内戦に詳しい英文学者の川成教授
に電話して、これこれの本をしかじかの値段で手に入れたが、どんなも
のであろうかと尋ねました。

電話の向こうでゴトンと音がしました。

後で聞くと、受話器を思わず壁に投げつけようです。その本は英国でも
数が少なく川成教授自身あちらでさんざん探し回ったあげく、相当の金
を払って入手しました。それを日本で、しかもたった1,500円で...

古書の世界ではよくある話ですね。

私も1年以上、探し回っていた本を京都の古書店で偶然見つけて、ここ
で会ったが百年目と14,000円を出して買い求めました。その後、神保町
をぶらついていたら、わずか2,500円で売っているじゃあーりませんか。
(吉本調で読んでください。)

古書の世界ではよくある話です。

クソッー 今、思い出しても.....

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2004.05.21

三都古書店グラフィティ


 【書 名】三都古書店グラフィティ  【著 者】池谷伊佐夫  【発行所】東京書籍  【発行日】1998/8/3  【ISBN 】4-487-79318-1  【価 格】1600円
京都、大阪、神戸の三都の古本屋さんがイラスト入りで紹介されて います。このイラストが味わいがあってなかなかです。 東京古書店グラフィティの続編です。

■書物愛読家度チェック
 (1)読書カード、新刊案内、スリップ〔売上票)などは捨てない
 (2)新刊、古書を問わず、買った本の題、価格、購入先などを記
    録している
 (3)欲しい本のリストを常に持ち歩いている
 (4)定期的に目録を送ってくれる古書店が三軒以上ある。
 (5)古書展、即売会には初日の朝一番にかけつける。
 (6)既に持っている本なのに、前より安かった、状態がよかった
    などの理由で、買い直したことがある。
 (7)書籍代が占める割合が、食費・住居費を除くと一番大きい
 (8)探求書を入手する夢を見たことがある。
 (9)三千冊以上の本を持っている。
 (10)死後、蔵書のゆくえを考えると夜もねむれない。

皆さん、いかがですか? 
私は1,3,4,7,9でまあ普通の愛書家というところですね。

大阪球場の古本屋街も無くなるということで取材予定だったのをとりや
めたり取材も大変だったようです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2004.05.18

下町の古本屋


 【書 名】下町の古本屋  【著 者】青木 正美  【発行所】日本古書通信社  【発行日】1994/9/15  【ISBN 】4-87030-962-9  【価 格】3500円
今時、珍しく箱に入って売られています。(この頃は箱売も全集ぐら いになりましたね。) 箱には振手をしている著者の姿が写っています。振手というのは古本 屋の市場で中心となる人物です。

店で客から買い取った本で、自分の店では売れそうにないものを売っ
たり、自分の店に合いそうなものを仕入れるために業者の市が決めら
れた日に開かれます。その入札に振りという形があり、業者が車座に
なって、その真ん中に振手が座ります。そして本を持って、「芥川の
初版本だよ。千から行こか」と声をかけます。「千三百」「千五百」
「千七百」と次々に業者から声が出ます。「千七百、千七百もう声な
いか。じゃ千七百で○○書房さん」と言って本が空中を飛び、その業
者の目の前にパタッと落ちます。(この名人芸ができるまでには相当
の年期がいります)

本の投げ方もそうですが第一本の知識がないと駄目、相場がわかって
ないと駄目ということで、この振手になるのは相当の修行がいります。

さて青木氏は堀切(葛飾)で古本屋を1957年に開業し、以来ずっ
と下町の古本屋を続けておられます。努力家で明治古典会に入って古
典の勉強をしたり、藤村の自筆物、日記の蒐集でも有名な方です。

東京の下町の古本屋業界の歴史の話などなかなか興味深いものがあり
ます。建場周りなんかは新しく古本屋になった人は知らないでしょう
ね。

建場というのは昔のチリガミ交換が物を持ち込んだ問屋でして、ここ
に時たまとんでもない本が出る場合があり、昔の古本屋はよくそこに
買い出しにいったそうです。青木氏も駆け出しの頃、行きましたが、
当然すでに別の古本屋が入っており、「島あらしはやめといてんか」
と言われる始末でした。その業者が振手をやっているので、では市場
のある日はその業者は建場に来ていないと買い出しにいった苦労話な
ども載っています。

重い本を自転車にゆわえつけて市場に持っていったり、客の所へ買い
出しに行ったり、娯楽が映画の次が本であった古き良き時代の話です
ね。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2004.05.17

ペリカン書房

ペリカン書房



 【書 名】古書巡礼
 【著 者】品川 力
 【発行所】青英舎
 【ISBN 】4-88233-028-8
 【発行日】1991/11/1
 【価 格】1500円


 【書 名】本豪 落第横丁
 【著 者】品川 力
 【発行所】青英舎
 【ISBN 】4-88233-024-5
 【発行日】1990/10/1
 【価 格】2000円

岩波書店の内村鑑三全集はこの古本屋さんがいなければ完成できませ
んでした。太宰治の「ダス・ゲマイネ」の作品に出てくるペリカンの
モデルにもなっています。人と話をするのが得意ではない変わった古
本屋さんでした。

古本屋を開業しましたが関東大震災で焼け出されて本郷でレストラン
ペリカンを開業しました。太宰治や東大の先生連中がよくやってきた
ようです。

串田孫一や織田作之助も常連だったようです。弟が料理を作り、兄が
店に出ていました。始めのうちは全然しゃべらずに、これが太宰治な
んかには神秘的に映ったようで初期の作品の「ダス・ゲマイネ」にペ
リカンとして出てきます。

ハンバーグと言っても「ウッ」と言っているような、黙っているよう
なという不思議な店員だったようです。料理を出す棚には料理がなく
本がぎっしりという店でした。

本もフランス語や立原道造などが並んでいて、手回しのレコードでボ
ドレールの「旅へのさそい」なんてのを黙ってにこりともしないでか
けるというとんでもない店だったようです。

食料事情の悪化とかもあり、学生の夏休みの間にレストランをたたん
で古本屋ペリカン書房に変貌したようで、これがまた誰にも言ってな
かったので夏休み明けにきた学生なんかが、横丁に入ってきて、びっ
くりしてぽかんと見ているというのがだいぶ続いたようです。

本には必ず索引をつけなさいというのが持論で、実にすばらしい仕事
をされています。世の研究者のために数多くの文献を届けてその仕事
を助けられた古本屋さんです。

ポー、ホイットマン、ゲーテなどの研究をした人は皆、この古本屋さ
んのお世話になっております。誰が名付けたのか「書物探索の冒険家」
というアダ名がついています。無類の自転車愛好家で配達でも何でも
ランニングシャツ一枚で自転車をギコギコという古本屋さんです。

本の装丁を弟の工さん(版画家で有名・レストランペリカン時代のコ
ック)がされており、落第横丁の方は特に美しい本になっています。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2004.05.13

六時閉店 ー地方出版の眼ー


 【書 名】六時閉店  ー地方出版の眼ー  【著 者】松村 久  【発行所】マツノ書店  【発行日】1988/10/1  【価 格】1000円
装丁がいまいちでしたので一度は通り過ぎたのですが、マツノ書店っ て、あのマツノ書店と思って本の中をざっと見ると、あのマツノ書店 でした。(何のこっちゃ)

マツノ書店というのは山口県の徳山市駅前にある古書店で、ここは古
書店だけではなく実は出版もやっており、それも山口県の郷土史など
を専門とする出版社です。

ですので例えば明治維新の研究をする時などは必ずお世話になる本屋
です。実は前身は貸本屋「マツノ読書会」で「朝刊の広告を見た本を
、夕方借りることのできる店」で有名でした。

20年ぐらい続けていましたが古本屋の方に力を入れ始め、そして山
口県史料の専門古書店、また出版社として発展。と言っても店主とパ
ート4人というこじんまりとしたものですが、そういう書店です。

有名なのは店主の松村久氏の図書館7不思議で全国図書館大会で19
83年に発表されたものです。

1、なぜ本屋へ直接購入にいかないのか
2、なぜ「即日貸し出し」ができないのか
3、なぜ「死んだ本」がいつまでもあるのか
4、なぜ郷土資料は「禁帯出」が多いのか
5、なぜマンガ・雑誌・文庫本が少ないのか
6、なぜヤングが寄りつかないのか
7、なぜ「広域ネットワーク貸し出し」ができないのか
あれから、この提言があったせいか図書館も変わってきましたね。

さて、本の内容ですが、地方出版の苦労話や防長火車日誌(赤字とい
うこと)などとても面白いですよ。本で随所に名前が出てくるのが紀
田順一郎や宮本常一などで、それだけでも楽しい本です。直接DM発
送など地方出版の極意みたいなものが書かれていますね。皆さんぜひ
探し出して読んでください!

と言いましてもマツノ書店が出版する本は1000部以下で大体がD
Mによる直接販売ばかりですので、まず新刊書店には出ません。ただ
この本はいつもよりは多く発行しているはずなので、どっかの古書店
でいつかお目に止まるかもしれません。

六時閉店という題はマツノ書店の閉店時間です。駅前の一等地ですし
延長の話はありますが自分の人生を楽しむんだいという店主の考えで
6時閉店です。読書サークルも続けておられるようでまさに地方の文
化の守り手です。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2004.05.12

古書店めぐりは夫婦で


【書 名】古書店めぐりは夫婦で 【著 者】ローレンス・ゴールドストン&ナンシー・ゴールドストン 【発行所】ハヤカワ・ノンフィクション文庫 【発行日】1999/9/15 【ISBN 】4-15-050234-X 【価 格】680円
久しぶりに京都の寺町二条にある三月書房に行った時に、棚で見つけ た本です。原題は「Used and Rare Travels in The Book World」と あります。

作家の夫婦が毎年、お互いの誕生日祝い(8日しか違わない)に色々と
お金もかけて贈り物をしていていますが、金額ほどは相手が喜んでいる
風ではありません。

ある年、遂に上限金額を20ドルと決めて、それで贈り物を探すことに
なりました。今までのようなナイトガウンなどが買える金額ではないの
で、とりあえず奥さんは近くの新刊書店へ、旦那が戦闘シーンなどが好
きなので「戦争と平和」を買うことにします。

しかしペーパバック版しかなく、「ハードカーバは無いの?」の一言が
深みにはまることになります。

店員がそれなら古書店を探してみたらの一言でイエローブックをくって
古書店探し、そして初めて行った古書店で別の本に目がうつり....
気がつけば、子供をベビーシッタに預けて夫婦で古書店のはしごへ

後は、お決まりの転落コースです。(^^); 初版本の収集にはまったり、
古書市に出かけたり、稀覯本の世界にまで首をつっこみ、果ては古書
オークションにまで参加する始末。

いやあ、なかなかに楽しめます。日本でもアメリカでも古書好きは同
じなんですねえ。大体、この本を書いた理由が、書籍収集の本を書け
ば、本探しの経費ぐらい出るかもが動機だったそうです。

実際の古書店の名前も出てきますので、本が出た時は古書店にとって
いい宣伝になったそうです。夫妻にいつもそっけない態度をとってい
た古書業者からはデイナーに誘われたそうです。

初めて古書店に足を踏み入れるところから書かれていますので、アメ
リカの古書事情などがよく分かる一冊になっています。

訳者も大変だったようで東京の雄松堂書店に教えをこうたり、荒俣宏
さんの本を参考にしたりしたそうです。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2004.05.11

製本工房から


 【書 名】製本工房から  【著 者】栃折久美子  【発行所】冬樹社  【発行日】1978/6/20  【価 格】1200円
ブックデザイナーというよりルリユールとして有名な栃折さんの本で す。

ヨーロッパではかって製本というのは読者の側の仕事でした。アンカ
ットの仮とじ本の形で出版され、それを買い求めて好みの厚表紙本に
製本しました。その仕事をしていたのがルリユールです。

栃折さんは筑摩書房で編集の仕事から、造本、装幀にもたずさわり、
1967年に退社して、1972年にベルギーにルリユールの勉強に
留学された方です。
室生犀星の小説に「火の魚」というのがありますが、この栃折さんが
魚拓の表紙の装幀を室生犀星から頼まれて、それの悪戦苦闘を書いた
小説になっています。

すっかりペーパーバックスなどが幅がきかせて、個人的に愛読書を装
幀する人はいなくなりましたが、インターネット時代となり絶版やあ
まりにも少部数しか売れないために出版されなかった原稿などがネッ
ト上で販売されるようになってきました。これを印刷屋さんで自分の
お気に入りの字体で印字してもらい、リルユールに頼んで、世界で1
冊だけの自分だけの本を装幀してもらえるなんて商売が成り立ちそう
になってきましたね。

実は栃折さんの1冊目の本「モロッコ革の本」(筑摩書房)を探して
いますが、なかなか出てきませんね。もう探し初めてずいぶんになり
ますが、まだ巡りあっていません。

この本は京都古書研究会が主催したミヤコメッセの古書市で掘り出し
てきました。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2004.05.06

日本の出版界を築いた人びと


 【書 名】日本の出版界を築いた人びと  【著 者】鈴木 省三  【発行所】柏書房  【発行日】1985/11/25  【ISBN 】4-7601-0294-9  【価 格】2000円
紹介されている出版社は

 吉川弘文館  丸善  金原出版・医学書院  大倉書店  有斐閣
 春陽堂  南江堂  三省堂  富山房  中央公論社  博文館
 目黒書店  大日本図書  東洋経済新報社  明治書院  同文館
 新潮社  実業之日本社  有朋堂  婦人画報社  研究社
 婦人之友社  講談社  誠文堂新光社  ダイヤモンド社
 岩波書店  平凡社  オーム社  白水社  主婦の友社
 大修館書店  金の星社  小学館  文芸春秋社

さて、どれぐらい知っていますか?

ダイヤモンド社は経済週刊誌「ダイヤモンド」で有名ですが、創業は古く
大正2年で岩波書店と同じですね。つまりまだ夏目漱石などが活躍してい
た時代です。小さくてもピカリと光るという意味でダイヤモンドとつけた
ようです。オーム社も大正3年創業と古いですね。この年に電気工業雑誌
「OHM」を創刊しています。「ダイヤモンド」(最初は月刊)もそうで
すが大正に出た雑誌が80年に渡ってずっと続いているというのもすごい
ですね。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

2004.05.02

古本屋おやじ

 【書 名】古本屋おやじ
 【著 者】中山 新如
 【発行所】ちくま文庫
 【発行日】2002/2/6
 【ISBN 】4-480-03713-6
 【価 格】780円



東京の三河島にある映画関係の専門店稲垣書店の店主の本です。「何でも鑑定団」の目利きでも登場しています。

神保町でもないところに、映画専門の古本屋を開業しており、コミックもアダルトもおかずに孤軍奮闘しており、台所事情はなかなか大変なようです。

■店売り
1日5千円強の売上、週休1日の300日営業でやっことさ150万円

■目録売り
こっちはもう少し効率がよさそうです。古書好きの機関誌に日本古書通信がありますが、ここへの目録掲載料が4万円なんだそうで
一番、売れなかった時が6300円と掲載料も出ないありさま。売れると何十万にもなるそうです。こっちが年に6回で、税務署にもあきられる売上なんだそうです。

故反町茂男氏の「文車の会」にも所属しており、勉強熱心な古本屋さんですね。

日記も掲載されており、同業者が死ぬと、まず思い出すのが落札で負けてもっていかれた品物の行方だそうで、因果な商売ですね。 

本には「古書まみれ」(中川道弘)に掲載された「一流と三流」が紹介されています。なかなか面白いですよ!

・お店以外に倉庫があるのが一流
 お店が倉庫そのものが三流

・美本を探してくるのが一流
 美本も汚れてくるのが三流

・奥さまをめったに見せないのが一流
 店番などで年中見せているのが三流

・帳場に気のきいた番頭さんのがいるのが一流
 帳場に死にかけのバアさんがいるのが三流

・店頭に文化の匂ってくるのが一流
 店頭に食事の匂ってくるのが三流

| | Comments (0) | TrackBack (0)

« April 2004 | Main | June 2004 »