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2004/04/20

死の蔵書

 【書 名】死の蔵書
 【著 者】ジョン・ダニング
 【発行所】早川書房
 【発行日】1996/2/20
 【ISBN 】4-15-170401-9
 【価 格】720円

 男はタフでなければ生きていけない
   男はやさしくなければ生きている資格がない

ハードボイルド推理小説です。推理小説の舞台が実におもしろく、デンバーの古本屋街になっています。

古書が好きな警官が事件に巻き込まれますが、まずは古本堀出し屋、日本で言えばセドリですね。彼が殺されるところから物語が始まります。途中のドンデン返しやセリフにちりばめられた古本の話など、本好きにはたまらない一冊になっています。

日本には紀田順一郎氏の古本屋探偵シリーズがありますが、推理が中心でどちらかというとアガサ・パターンですね。ですがこの本はアメリカ・ハードボイルドで、やはりチャンドラー風になっています。

それにしても不思議なのが著者のジョン・ダニングです。ミステリー作家として賞などをとったりしていたのが出版社とのトラブルですっかり、作家がいやになり、コロラドに古本屋をひらいてやっていました。そしてミステリ界に復帰して作成したのが、この本です。ネロ・ウルフ賞という賞をこの本で獲得しているそうです。

例によって京都の三月書房の「世界の古書店」という新書の隣にデーンと本の大きさの統一など全くなく文庫本が1冊置いてあり、古本関係かなと思って手にとったのがこの本でした。あの本屋の棚は本当に絶妙ですね。


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