鹿の幻影
【書 名】鹿の幻影
【著 者】紀田順一郎
【発行所】創元推理文庫
【発行日】1994/2/18
【ISBN 】4-488-40602-5
【価 格】417円
近くの瓢箪山書房に本を売りに行った時に見つけました。古本をテーマにした推理小説です。
紀田順一郎氏には古本屋探偵シリーズがあるはずだがと奥を見ると、古本屋探偵シリーズの後に書かれた作品のようですね。神保町が舞台なのですが、愛書家の姿などが実によく描かれています。
■本の収集が行きつくと古本屋になる。
「ほんとに欲しいと思うか?それなら古本屋にならなければダメだ。本屋になって市に出入りし、仕入ソースを握らないかぎり、永久におこぼれを高い値段で買い続けねばならない。....」
でも果たして愛書家が古本屋になって本を売ることができるかどうかは大いに悩むところです。一時期、上杉暁あたりも古本屋をやっていたそうですから、分かる気もしますが本を読む時間は無くなるだろうな...
■本が好きな社員は変わり者扱い
プロ野球、麻雀、ゴルフと言ったサラリーマンの日常的話題や関心の中に、どう見ても愛書趣味や読書に関する話題は入り込みようがない。
アイアン9本セットが10数万円からと騒いでいる世界ではそれだけの金があればビアズリーの「イエローブック」13冊揃いが買えるなどと思っている者は黙っているしかないのである。
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