2018/05/16

阪堺電車 177号の追憶

 【書 名】阪堺電車 177号の追憶
 【著 者】山本 巧次
 【発行所】ハヤカワ文庫
 【発行日】2017/09/20
 【ISBN 】978-4-15-031296-1
 【価 格】640円

大阪と堺を結ぶ路面電車をテーマに昭和8年から平成29年までの物語がつづられていますが、これが物語通しがうまくつながって、しかも毎回ちょっとした、どんでん返しがあって楽しめる一冊です。

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2018/05/12

その後の廃城

 【書 名】その後の廃城
 【著 者】今泉慎一
 【発行所】じっぴコンパクト新書
 【発行日】2018/03/15
 【ISBN 】978-4-408-00910-0
 【価 格】850円

明治維新で老朽化し不要となった城の建物などが次々と競売にかけられ無くなっていきました。跡地には遊園地ができたり、いろいろな変遷となります。

五稜郭では堀の水が良質だったため、堀で氷を作り函館氷として全国に売り出します。それまでは海外から高い氷を輸入していましたが、一気に国産化できました。ひこにゃんで有名な彦根城天守もつぶされる運命でしたが、まったをかけたのが行幸していた明治天皇。進言したのは大久保利通と天皇の従弟だった、かね子(仲人が井伊直弼)のようです。現存している城にはいろいろな物語がありました。

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ルポ中国「潜入バイト」日記

 【書 名】ルポ中国「潜入バイト」日記
 【著 者】西谷格
 【発行所】小学館新書
 【発行日】2018/04/03
 【ISBN 】978-4-09-825328-9
 【価 格】800円

上海の寿司屋でのバイト、反日ドラマのエキストラに日本兵の役で出演、パクリ遊園地のショー出演、ホストクラブでの接客バイトの他に婚活パーティでのお見合いや日本へ戻ってからは爆買いツアーガイドや留学生の管理人などを経験。等身大の中国の実態がわかる一冊です。

ですがバイタリティあふれている点は日本も見習うべきで、面接などは速攻で決まり、面接相手が外国人でもかまわずに採用。同僚となった中国人も特に日本人とは意識していません。物事が決まるのがスピーディーで、とりあえずやってみようが基本です。中国での部屋探しはチャットアプリで効率的なのに対して、日本の不動産業はあいかわらず電話とFAXという世界など違いもよく分かります。

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征夷大将軍 研究の最前線

 【書 名】征夷大将軍 研究の最前線
 【著 者】関口祟史&日本史史料研究会
 【発行所】洋泉社歴史新書
 【発行日】2018/04/19
 【ISBN 】978-4-8003-1458-1
 【価 格】980円

武家の棟梁として幕府を開くには征夷大将軍にならなければという説がありますが、もともと源頼朝が朝廷に求めたのは大将軍という地位。各地には藤原秀郷、源頼義など将軍と呼ばれた氏族の子孫がいて、一歩抜きんでた存在となるには将軍の上である大将軍になる必要がありました。

大将軍にもいろいろあり、木曽義仲が任じられた征東大将軍は義仲が非業の死を遂げたこともあり縁起が悪いということになり、坂上田村麻呂という実績があった征夷大将軍に任命されたというのが、そもそものようです。また征夷大将軍は源氏がなるものというイメージがありますが、そんなことはなく鎌倉時代後半には公家がなっていました。南北朝で討幕運動をしていた有名な護良親王も征夷大将軍になっています。


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2018/04/28

書店主フィクリーのものがたり

 【書 名】書店主フィクリーのものがたり
 【著 者】ガブリエル・ゼヴィン
 【発行所】早川書房
 【発行日】2017/12/15
 【ISBN 】978-4-15-120093-9
 【価 格】840円

2016年本屋大賞で翻訳小説部門第1位になった本です。本屋の話なので本に関する物語かなと思ったら本屋を主体にした人間模様の話でした。島に一軒だけしかない本屋にある日、捨て子があり、店主は育てる決意をしますが、いろいろな人間模様が浮かび上がってきます。本屋がどんどん減っているなか、この一軒だけしかない本屋にも廃業の危機がせまってきます。


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2018/04/26

素顔の西郷隆盛

 【書 名】素顔の西郷隆盛
 【著 者】磯田 道史
 【発行所】新潮新書
 【発行日】2018/03/30
 【ISBN 】978-4-10-610760-3
 【価 格】820円

大河ドラマ「西郷どん」で描かれている西郷隆盛ですが、薩摩は戦国の気風を残している国でした。我慢しなさいと子どもを叱る時には「雪駄の革をかじれ」と言います。島津義弘が関ケ原での撤退戦で兵糧がつき、「腹が減ったら、履いている雪駄の革をかじれ」と言いあったことに由来しています。また子供が「寒い」と言うと、「朝鮮の陣では島津の武士が寒さに手がかじかんで刀が抜けず、不覚を取った」と叱られたそうです。

そんな戦国の気風が残っていたため、蛤御門の変で長州と幕府がにらみあっているだけで発砲しないなか、横からあらわれた薩摩はすぐに発砲します。薩摩だけは戦国フリーズドライで太平の世が終わった瞬間に戦国に戻りました。最終的にはこれが西南戦争につながってしまいます。

西郷隆盛といえば敬天愛人ですが、月照との心中で助かり、奄美大島に隠れた時に現地でヒザ(奴隷制度)などを知り改善運動をしています。月照は死に自分は生き残ったことから、ひたすら公のためにつくすことを考えたようです。また犬好きでよく飼い犬にウナギを食べさせていたようです。

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無限の本

 【書 名】無限の本
 【著 者】とみさわ昭仁
 【発行所】ちくま文庫
 【発行日】2018/03/10
 【ISBN 】978-4-480-43505-7
 【価 格】860円

パラパラとページをめくると古書店という言葉が目に入り、古書店に関する本だと思って買ってきましたが古書店の話は全体の1/3ほどで残りは蒐集の本。著者は神保町で特殊古書店「マニタ書房」を営む店主です。エレベータのない4階にあり、店主の好みでブックオフからセドリをした本が並ぶという個性的なお店。特殊古書店という言葉にあらぬ想像をして来店する客も多いそうです。ただし店主はフリーのライターで店を仕事場にし、取材時などは休みになる、ゆるい古書店です。全巻揃いでなくても本を見つけるたびに店に出しておき、揃ったらセットにして高い値段をつけようと考えていたら客がそのなかから一冊抜いていくこともよくあるそうです。

著者は蒐集という文字には鬼が隠れていると書かれている通り、次から次へいろいろなものをコレクションしています。ただしいろいろな理由で手放すことになり、始めたのがエアーコレクション。これは見つけたらチェックするだけなので、モノは増えません。早川ミステリーのポケミス全冊を見つける「ポケミス、ゲットだぜ!」という企画がどっかの本にありましたが、あれもエアーコレクションの一種です。著者によると古書店を始めた理由は、店に本を並べて貯めこまなければ永遠に本を買い続けられる永久機関になることでした。なるほど、それで表題が「無限の本」なんですね。

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悪代官はじつは正義の味方だった

 【書 名】悪代官はじつは正義の味方だった
 【著 者】山本博文
 【発行所】じっぴコンパクト新書
 【発行日】2018/3/16
 【ISBN 】978-4-408-33771-5
 【価 格】800円

「越後屋、お主も悪よのう」「いえいえ御代官様ほどでも」

時代劇でおなじみのシーンでしたが、実際はそんな代官はほとんどいなく薄給ながら民百姓のために頑張った役人が多かったそうです。なかには飢饉や地震で幕府の許可を得ず米蔵を開いて救民を助け、あとで責任をとり切腹していった代官もいました。ただ部下である手代で悪さをするのがいて、こうなると監督責任が問われます。

ただ一朝一夕では実現できず綱吉の時代に世襲不良代官を罷免し、実務的代官を登用をはじめます。代官の収入は収穫した年貢に比例しており不作となると大赤字になっていたのを改めて一定額の経費を支払う形に改めます。

ナイショの語源
現在のアメリカのように江戸時代は訴訟社会でした。民事訴訟が多かったのですが訴える方も村から離れて行かねばならず経費も日数もかかりました。そこで行われたのが示談です。表ざたにせず内々ですませることを内証といい、これがナイショの語源となりました。

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戦国武将の精神分析

 【書 名】戦国武将の精神分析
 【著 者】本郷和人、中野信子
 【発行所】宝島社新書
 【発行日】2018/04/23
 【ISBN 】978-4-8002-7817-3
 【価 格】800円

戦国武将を脳科学の分野から考える面白い一冊です。織田信長といえば典型的なサイコパス(反社会性パーソナリティ障害)のようで、特徴は外見が魅力的で、ナルシステッィックであう、恐怖や不安を感じにくい、他人に対して共感性が低い、人がためらうことを平然と行うがあります。

信長は比叡山の焼き討ちを行いましたが、この時に殺されたのが4000人で大体、東大の教員数と同じだそうです。現代に置き換えると東大に火をつけて教員を皆殺しにすることになり、本郷先生が講演で話をすると意外にうけるそうです。これはシャーデンフロイデで自分よりいい目を見ている誰かが痛い目にあうことで味わえる快感だそうです。松永久秀もサイコパスだったようで信長は意外に親近感をいだいていたようです。

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2018/04/22

陰謀の日本中世史

 【書 名】陰謀の日本中世史
 【著 者】呉座 勇一
 【発行所】角川新書
 【発行日】2018/03/10
 【ISBN 】978-4-04-082122-1
 【価 格】880円

本能寺の変の黒幕は秀吉だった、関ケ原合戦を引き起こしたのは徳川家康だったなど、何か事変が起きると最後に得をした人が実は黒幕だったのではないかと思われますが、そんなことはなく、たまたまでした。

■源義経
頼朝の許可を得ず後白河法皇から検非違使を任官されたことに頼朝が激怒したと、よく言われていますが、そんなことはなく頼朝の意を得たものだったようです。頼朝は平氏の補給路をたって持久戦で平氏に勝とうという戦略を組んでいたのを、義経は三種の神器も安徳天皇も壇ノ浦に失ってしまうという失態を演じてしまいます。

これだけが引き金ではなく頼朝の意向で伊予守という最高峰に任じたので検非違使を辞任して京都を離れるのが筋でしたが、後白河法皇が手放したくなったことから独自の軍事力を後白河法皇は持ちたいのではないかと頼朝に認識されてしまいます。検非違使を辞めなかったことがきっかけになってしまいました。

■日野富子
悪女として名高いですが実際は我が子である義尚が成人するまでリリーフを足利義視に頼んでいました。義視の奥さんは自分の妹でもあったので将軍の跡継ぎ問題が応仁の乱のきっかけになったわけではありません。「応仁記」を書いた側が印象操作したことから悪女のイメージがついてしまいました。関所を作って幕府財政を支えましたが徴収される側の民としては守銭奴のイメージがあったことも確かです。

■関ケ原の合戦
過去撃破を狙って上杉討伐軍を起こした家康ですが、まさか石田三成が挙兵するとは思わなかったようです。しかも毛利輝元まで担ぎ出したのでびっくり仰天、といったとkろが真相のようです。「内府ちがいの条々」という告発書で、ますます窮地に陥ります。そこで賭けに出ます。村越茂助を福島正則らに派遣して、各々が動かないから家康も動かないと告げ、これに発奮して岐阜城を攻め落とします。ここから流れが変わり関ケ原の戦いに突入していきます。

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