2016/12/02

日本地図のたのしみ

 【書 名】日本地図のたのしみ
 【著 者】今尾 恵介
 【発行所】ちくま文庫
 【発行日】2016/06/10
 【ISBN 】978-4-480-43361-9
 【価 格】780円

各時代の地図を並べるとダムができて村が湖に沈む様子が分かるなど、地図のまつわる本です。

■変わった地名
天皇という地名が四国にあり、どうも四国八十八カ所の79番札所、天皇寺にちなんでつけられた地名です。千葉県八日市場にはイ、ロ、ハという地名があります。他にも岡田由里や戸田ゆたかのように人名のような地名もあります。

■直接民主制の島
選挙で選んだ代議員制度を採用し、直接民主制といえばスイスというイメージですが、日本にも直接民主制の島がありました。八丈小島で人口がわずか50名でしたので、20歳以上の有権者が集合して総会を開き、直接民主制でした。残念ながら1969年に全員が離島したので、直接民主制がなくなってしまいました。


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美女と竹林

 【書 名】美女と竹林
 【著 者】森見登美彦
 【発行所】光文社文庫
 【発行日】2010/12/20
 【ISBN 】978-4-334-74895-1
 【価 格】571円

森見ワールド満載の本です。テーマは桂にある知り合いの竹林を刈るだけなんですが、あとは思索というか妄想にふけったりとなります。ところどころに「夜は短し歩けよ乙女」で山本周五郎賞を受賞した話などがアクセントして入ります。


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戦国史の俗説を覆す

 【書 名】戦国史の俗説を覆す
 【著 者】渡邊 大門
 【発行所】柏書房
 【発行日】2016/10/25
 【ISBN 】978-4-7601-4751-9
 【価 格】2000円

1次資料などをもとに従来から言われている戦国時代の俗説が本当なのか焦点をあてています。

■神君伊賀越え
「本能寺の変」の後、堺にいた家康が三河まで帰り着くまでの逃避行で、一番危なかったのが伊賀越えでした。実際のルートは明確ではなく、石仏をのせた籠をカモフラジューのために別のルートを通したりしたために各地に伝承が残る結果となりました。伊勢へ着いてからは四日市で船に乗ろうとしたらなかったので南へ行って長太で船を探してもなく、さらに南へ行って白子で乗船したようです。もっとも別れて乗船した可能性もあります。34名が家康に付き従ったとありますが、酒井忠次、石川数正、本多忠勝、榊原康政らの名前があがっていますから郎党を連れていますので、200人~300人の大勢力で移動したことになります。

■関ヶ原の合戦
問鉄砲で小早川秀秋が裏切ったという俗説がありますが、最初から家康側だったというのはよく知られるようになりました。この本では大谷吉継の陣が、山中エリアから平地に突出して、徳川軍と激突しているところを小早川軍に挟撃されたという説を紹介しています。

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2016/12/01

家康研究の最前線

 【書 名】家康研究の最前線
 【著 者】日本史史料研究会
 【発行所】洋泉社歴史新書
 【発行日】2016/11/18
 【ISBN 】978-4-8003-1084-2
 【価 格】950円

信長、秀吉に続き最新の研究をもとに家康の実像について書かれています。

■織田家の人質
家康は今川家に人質に入るはずが田原城主だった戸田康光の裏切りで、織田信秀のもとに人質として送られることになります。ここで若き織田信長に会うというのが映画やテレビでよく出てくるシーンですが、どうも違っていたようです。織田と今川で連携しており、今川義元が今橋城を攻める時、後詰に入れないよう織田信秀が岡崎城を包囲してしまったようです。松平広忠は織田信秀に降参し命は助けられたが人質として家康が織田に送られたのが真相のようです。

■奥州仕置
家康の力をおそれた秀吉が関東へおっぱらったという説が言われていますが、伊達正宗に対するおさえでもあったようです。蒲生氏郷ともに奥羽仕置を行っていますが、秀吉の信頼も厚かったようです。


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2016/11/25

飛鳥むかしむかし 国づくり編

 【書 名】飛鳥むかしむかし 国づくり編
 【著 者】奈良文化財研究所
 【発行所】朝日新聞出版
 【発行日】2016/10/25
 【ISBN 】978-4-02-263050-6
 【価 格】1850円

2013年~2016年に朝日新聞奈良版に長期連載をまとめた本で、飛鳥誕生編の続刊です。

■瓦の再利用
藤原京から平城京遷都となった時、使える瓦は平城京に運ばれ再利用されました。平城京用に新規で焼いた瓦は黒っぽくなっていて、色で平城京の瓦か藤原京の瓦か見分けられます。大極殿は中心となる建物なので全部新調されました。藤原京の瓦ですが長岡京や平安京でも出土しており、100年以上使われた瓦もありました。

現在、平城京跡に大極殿と朱雀門が復元されていますが、大極殿には平城京で新調された黒っぽい瓦、朱雀門には藤原京の瓦が使われたことから白っぽい瓦で復元されています。

■大神高市麻呂
壬申の乱で天武天皇に味方し、箸墓付近の上ツ道沿いの戦いで勝利をおさめました。持統天皇の時代、伊勢行幸しようとした天皇に対して田植えの時期の行幸は民に迷惑を与えると諫言しましたが、聞き入れられず職を辞しました。気骨のある人物です。大神高市麻呂ですが住んでいた邸宅と勤務地が両方とも発掘で確かめられて分かっているという珍しい人物です。邸宅は現在の三輪神社の摂社でした、勤務地が左京職で、今は奈良文化財研究所都城発掘調査部のある所で、この本の筆者達が勤めるところでした。

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2016/11/12

さいごの色街 飛田

 【書 名】さいごの色街 飛田
 【著 者】井上理津子
 【発行所】新潮文庫
 【発行日】2015/02/01
 【ISBN 】978-4-10-126391-5
 【価 格】710円

天王寺の近くに鯛よし百番という料亭です。料亭といいながらリーズナブルな料金で利用できますが、驚くのが大正建築美術の豪華絢爛な装飾の数々。2000年に国の登録有形文化財になっていますが、もともとは遊郭です。鯛よし百番近くに拡がるのが飛田という色街。こんなところが日本にあるんだとカルチャーショック受ける町でもありますが、中はどうなっているのか等、分からないことばかり。12年の取材、しかも女性が書いたルポルタージュです。良い悪いではなく現実の飛田が書かれています。


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飛鳥むかしむかし 飛鳥誕生編

 【書 名】飛鳥むかしむかし 飛鳥誕生編
 【著 者】奈良文化財研究所
 【発行所】朝日新聞出版
 【発行日】2016/08/25
 【ISBN 】978-4-02-263049-0
 【価 格】1850円

2013年~2016年に朝日新聞奈良版に長期連載をまとめた本で、各巻にはカラー復元画像が入っています。飛鳥豊浦宮などが有名ですが、少なくとも1万2千年前には縄文人が住みついていたようで大官大寺跡では縄文時代の遺跡が見つかっています。弥生時代の遺跡も見つかっており、住居があったところに宮ができました。

当時の回廊が見つかった山田寺跡の前を通っているのが山田道ですが、基礎では敷葉工法になっていました。水はけをよくする土木工法です。また推古時代の山田道は現在よりも少し南、水落遺跡と小墾田宮の間を通り、それぞれが水落遺跡と接していたようです。


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街道で読み解く日本史の謎

 【書 名】街道で読み解く日本史の謎
 【著 者】安藤優一郎
 【発行所】PHP文庫
 【発行日】2016/11/15
 【ISBN 】978-4-569-76568-6
 【価 格】780円

日本史の事件を街道をからめて考察した本です。鎌倉といえば幕府が開かれた源氏の総本山ですが、鎌倉は鎌倉街道を使ってけっこう攻め込まれています。新田義貞が鎌倉に攻め込み幕府が滅びますが、今度は北条氏が中先代の乱を起こし、鎌倉を占領します。他にも北畠顕家率いる軍勢に占領されたり、尊氏側が奪い返したりと、よく戦場となる土地でした。

秋葉原といえば今はオタクの街ですが、知名の由来は秋葉神社。本当は秋葉神社じゃなかったんですね。遠江国にある秋葉神社が火伏の神として信仰を集めていて全国に勧請していました。火事が多かった東京府では火除地を作り、鎮火神社を作りましたが、どうもこの時に秋葉大権現が勧請されたと皆、思ったみたいで勘違いから秋葉原の地名になってしまいました。

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敗者の古代史

 【書 名】敗者の古代史
 【著 者】森 浩一
 【発行所】KADOKAWA
 【発行日】2016/10/15
 【ISBN 】978-4-04-601781-9
 【価 格】800円

歴史は勝者が書くため敗者が実際はどんな人物だったかは分かりません。神武天皇に敗れた長髄彦から大友皇子まで19章にわたって取り上げています。

物部の祖というとニギハヤヒノミコトですが、「先代旧事本紀」にはニギハヤヒノミコトの東遷の話が出てきます。河内平野に勢力を築き、物部系神社が東大阪や八尾に点在することになります。ヤマオでの拠点は鳥見白庭山においたようです。鳥見は外(とび)山と書くようになっていき、桜井駅の近くにある外山になります。麓に茶臼山古墳がありますが、ここがニギハヤヒノミコトの墓ではないかと推定しています。

昔、大阪には河内湖があり住吉神社の前は海でした。やがて帯状の潟ができますが、太鼓橋の下の池はこの潟の名残のようです。

乗馬の風習が伝わると東大阪は馬飼の土地となっていきます。継体天皇の河内入りを手助けした人物に河内馬飼首荒籠(かわちのうまかいのおびとあらこ)がいますが、近鉄瓢箪山駅近くの瓢箪山古墳の被葬者ではと推定しています。そうなると近くにある山畑古墳群は馬飼集団の墓地のようです。

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2016/11/08

参勤交代の真相

 【書 名】参勤交代の真相
 【著 者】安藤優一朗
 【発行所】徳間文庫
 【発行日】2016/09/15
 【ISBN 】978-4-19-907067-9
 【価 格】830円

京都の時代祭には大名行列が登場し、行列先頭の槍持、傘持、挟箱などの奴振りが見事ですが、江戸時代は藩士ではなく外部委託だったんですね。そんな大名行列の真相が分かる一冊です。国元に帰ろうと出立しようとしたら、藩士が帰ってしまっては借金が返ってこないと借金取りが大勢、藩邸に集合したため出立できなかった逸話などが満載です。

江戸幕府がなくなり大名行列もなくなりますが明治39年に再現されたことがありました。イギリスの使節団に対するセレモニーでしたが40年ぶりの大名行列で日本人でも見たことがない人が多い中、幕末にパークスの書記官だったミットフォードが使節団に参加しており、日本の若い人たちがミットフォードに、本物の大名行列もこんなんでしたかと聞く逸話も出ています。

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