2020/01/28

信長

 【書 名】信長
 【著 者】本郷和人
 【発行所】トランスビュー
 【発行日】2019/12/15
 【ISBN 】978-4-7987-0175-2
 【価 格】1800円


「信長が時代をつくったのではなく、時代が信長を要請した」とあり、戦国時代を終わらせたのは信長ですが信長がいなくても誰かが同じように終わらせたかもしれません。


■信長の敵
第一に考えていたのが一向宗。妻帯が認められており11代顕如は三条家から奥さんをもらっていて武田信玄とは奥さんが姉妹という関係になります。一向宗では惣村と呼ばれる村落共同体ごとに参加していました。まとめていたのが土地の権利をもつ半分侍、半分農民でした。兵農分離で侍になるか農民になるか問うたのは、この階層の人になります。


■貨幣経済社会へ
貿易で使われた船に竜骨がなかったため重石(バラスト)が必要となり行きは大陸で高く売れる木材を積みました。帰りは大量の銭を持って帰ることにします。この銭が便利ということで貨幣経済が定着することになります。やがて土地を売る御家人も出始め、鎌倉幕府は土地を無償で取り返せる徳政令を出したため御家人以外にはメリットがなく、これが鎌倉幕府が滅ぶ原因の一つになります。


■麒麟がくる
信長の花押(サイン)が麟です。使いだしたのは13代将軍である足利義輝が松永久秀らに殺害され、室町幕府が崩壊した時点です。”俺が平和な世の中を作る”と考え天下布武とあわせてスローガンとしたようです。


■源頼朝
朝廷を警戒していた頼朝は勝手に官位官職をもらうことを禁止していました。もらったら鎌倉に来ずに都で働けと最後通牒をします。墨俣川より東に来たら本領を没収あるいは斬首するという内容です。当時の関東は墨俣川にあったようです。

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2020/01/26

空白の日本史

 【書 名】空白の日本史
 【著 者】本郷和人
 【発行所】扶桑社新書
 【発行日】2020/01/01
 【ISBN 】978-4-594-08368-7
 【価 格】880円


■三種の神器
南朝方に三種の神器があった時に醍醐寺のお坊さんである三宝院賢俊が南朝の陣地に行って朱塗りの箱を持って帰ってきました。三種の神器を納める箱で、これを三種の神器代わりにして御光巌天皇が即位します。太平記によると北陸と1セット(恒良親王+新田義貞)、後醍醐天皇から北朝に渡った1セット、後醍醐天皇が吉野へ持って行った1セットがあります。


■キリスト教と一向宗
どちらも唯一無二の一神教のような宗教です。一向宗に手をやいた戦国大名もキリスト教が同じような思想ということが分かって弾圧をはじめたとも考えられています。


■天皇の承継
兄弟間での承継が中心でしたが天智天皇、天武天皇、持統天皇あたりから変わっていきます。単婚小家族から直系家族の方に替わっていきます。


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本屋、はじめました

 【書 名】本屋、はじめました
 【著 者】辻山良雄
 【発行所】ちくま文庫
 【発行日】2020/01/10
 【ISBN 】978-4-480-43648-1
 【価 格】720円


リブロ池袋店の店長として閉店をみおくり、立ち上げたのがTitleという新刊書店です。リブロ時代から開店準備、開店について記載され参考になります。


■取次との契約
最初の取引では信任金が必要となります。月に100万円の売上なら売上原価78%の2ケ月分で150万円ほどになります。


■図書カード
図書カードリーダー(解約時に戻ってくる2万円の加盟料と3万円の専用リーダーの保証金)と手数料が5%必要です。

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奇譚を売る店

 【書 名】奇譚を売る店
 【著 者】芦辺拓
 【発行所】光文社文庫
 【発行日】2018/12/20
 【ISBN 】978-4-334-77210-9
 【価 格】660円


星新一の名作に「ノックの音が」がありますが、それを彷彿させるように全ての章が「また買ってしまった」という言葉で始まっています。古書店で買った本により、いろいろな事件などが起きます。


タイトルと同じ「奇譚を売る店」ではタイプライターの話が出てきますが、”ひらがなタイプは梅棹忠夫博士のベストセラー「知的生産の技術」の信奉者にもてはやされた」とあります。確かに一世を風靡しました。

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土地と財産を読み解く日本史

 【書 名】土地と財産を読み解く日本史
 【著 者】大村大次郎
 【発行所】PHP研究所
 【発行日】2019/12/11
 【ISBN 】978-4-569-84396-4
 【価 格】1500円


■墾田永年私財法
開墾した田は永久に私有できることにしましたが税金は必要でしたが税収が増える目論見でした。奈良の大仏や国分寺はできましたが長い目で見ると大きな減収となりました。


■直轄領が少ないのが室町幕府
公方御料所(足利幕府の所領)は大体200万石ぐらい。山名家や細川家の所領の方が大きく政権としては脆弱でした。


■比叡山
荘園の数は分かっているだけで285ケ所あり、信長の叡山焼き討ちで古文書が燃えているので実際はこれ以上の荘園がありました。京都の五条町にも3ヘクタールの土地があり地子銭(地代)だけでもすごい額だったでしょう。


■年貢
織田信長が永禄11(1568)年に六角氏の所領を手に入れた時に収穫量の1/3を年貢と定めたので他の地も同様だったようです。江戸時代の年貢は五公五民といわれますが実際は隠れ田などももあり三公七民ぐらいでした。


■信長の三職
信長については最後の三職で何を狙っていたのか話題になりますが記録では太政大臣になっていたようです。秀吉が毛利に送った書状に大相国(太政大臣)と書いてあり、朝廷が信長の死後に太政大臣を送る時に「重ねて太政大臣を与える」になっていました。


■家康
ケチで有名ですが大法馬金126個を子孫に残し、徳川家を脅かす戦争に備えました。それが財政の穴埋めに使われ幕末に残ったのは1つだけ。勝海舟が持ち出して徳川家の再興のために使われました。秀吉の家臣だった細川忠興は徳川家康に助けられていました。豊臣秀次事件で秀次から細川忠興は黄金100枚を借りていましたが返還が大変でした。家康は黙って100枚を貸しました。細川忠興は大きな恩義をうけたと思っていたでしょう。


■秩禄処分
明治維新の本質は武士のリストラで、維新後も秩禄を武士に渡しましたが6年分の報酬を一度支払うから武士をやめなさいという秩禄奉還を行います。当時の新聞に士族は「平民の厄介」「無為徒食」などと書かれていたので武士も覚悟はしていたようです。一部は旧士族の反乱となりましたが、原因の一つとなります。


■兵庫商社
年末で生糸を輸出していましたが外国人に買いたたかれていました。幕臣の小栗上野介が考えたのが貿易商社を作って一手に引き受けること。これが兵庫商社で計画だけで後に三井物産などに引き継がれます。この兵庫商社の話を聞いて作ったのが坂本龍馬の海援隊。兵庫商社なんかできたら幕府が力をもってしまうと危惧したからです。


■戦争へ
昭和初期は貧富の差が多く、日清、日露、第一次世界大戦で好景気となったため庶民にも恩恵がありました。満州事変が起きた時に国中がお祭り騒ぎになります。


■1989年アメリカの対日要求
バブルでアメリカの土地などを買いまくった日本に対して対日要求が出ます。土地保有税を引き上げ、都心部の農地を宅地並みに課税することの2つで、これで土地高騰がおさえられる方策でした。ところが日本は票を失いたくないため銀行に対して総量規制という中途半端なことをして長く続く不況を生み出すことになります。

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江戸の家計簿 カラー版

 【書 名】江戸の家計簿 カラー版
 【著 者】磯田 道史
 【発行所】宝島社新書
 【発行日】2020/01/24
 【ISBN 】978-4-299-00146-7
 【価 格】1000円


■参勤交代で江戸に来た下級武士
紀州藩士・酒井伴四郎の日記が残っており、江戸勤番で単身赴任でしたが共同生活で自炊するのが基本でした。屋敷の外へ行くのを藩側が快く思っていなかったようです。


■大工、左官、鳶は「江戸の三職」
江戸時代に高給取りだったのが大工などの職人。日給は2万7千円で年収800万円ほどになります。


■作家は儲からない
滑稽本作者で年収500万円ほど。曲亭馬琴「南総里見八犬伝」が日本初のプロ小説家となります。

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2020/01/19

行動経済学の使い方

 【書 名】行動経済学の使い方
 【著 者】大竹文雄
 【発行所】岩波新書
 【発行日】2019/09/20
 【ISBN 】978-4-00-431795-1
 【価 格】820円


ナッジとは「軽く肘をつく」という意味で行動経済学では「選択を禁じることも、経済的なインセンティブを大きく変えることもなく、人々の行動を予測可能な形で変える選択アーキテクチャーのあらゆる要素を意味する」と定義されています。


■ウォーム・グロー(暖かな光)
他人の満足度が上がると自分も幸福となるういう利他性。純粋な利他性は他人の幸福度が高まることが自分の幸福度を高めるというもの、ウオームグローとは自分が他人のためになる行動や寄付額そのものから幸福感を感じること


■サンクコスト
7万円の北海道旅行を見つけて申込、別の日に5万円の沖縄旅行を見つけて申込。ところが同日で、どちらもキャンセルできないことが判明。北海道より沖縄の方は好きだけど7万円がもったいないと思って北海道旅行を選択することがあります。取り戻せないサンクコストを回収しようとする意思決定になります。


■メンタルアカウンティング
1500円の映画チケットを買っておいたのに失くしたことに気が付く場合と財布の中にあった1500円を落としてしまったことに気が付いた場合、前者ではチケットを買わないが後者ではチケットを買うことがあります。同じ1500円でも心理的な勘定は違います。


■参照点
避難しないのは現在を参照点に避難することが損失だと感じるからです。そこで避難をうながすためにアメリカでは「残留する人は身体にマジックで社会保障番号を書いてください」というメッセージが一番効果がありました。人々は自分が災害で自分が死亡している状態が参照点となり、避難して生存することが損失でなく利得だと思います。


■損失回避
A コインを投げて表が出たら2万円をもらい、裏が出たら何ももらわない
B 確実に1万円もらう


C コインを投げて表が出たら2万円を支払、裏が出たら何も支払わない
D 確実に1万円支払う


BとCを選ぶ人が多くなります。A,Bは1万円の利得でC,Dは1万円の損失。


■無断キャンセルを減らすナッジ
電話予約をした時に相手からコミットメントさせる
病院なら「スミス先生とのあなたの約束は火曜部の午前10時35分です。つぎの予約番号を書き留めてください。1234」
また「先月予約したのに受診しなかった患者数は**人でした」ではなく「先月予約通りに受診した人は**人」に変更しました。


■軽減税率は補助金と同じ
低所得者に対する負担増加が目的ですが、高所得者の負担軽減が低所得者以上に大きくなるため実際は補助金と同じになります。比率と金額を誤解するからで低所得者の支出比率が高い費目で税率が軽減されると低所得者の方がより多く税金を軽減されると誤解してしまいます。

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2020/01/16

古代史が面白くなる地名の秘密

 【書 名】古代史が面白くなる地名の秘密
 【著 者】八幡和郎
 【発行所】光文社知恵の森文庫
 【発行日】2019/12/20
 【ISBN 】978-4-334-78780-6
 【価 格】800円


■出雲
大和の桜井に出雲という土地があり相撲の創始者として有名な野見宿祢はここの出身という説があります。神武天皇の前に住んでいた先住民族とかかわりがあったことかが古事記からうかがえます。大和に進出した神武天皇は大国主命の孫娘を皇后として、綏靖天皇なども大国主命の子孫を皇后にしていますが、なぜ出雲の神々の子孫が大和にいたのかはよくわかっていません。


■三種の神器
北九州では剣、鏡、勾玉のセットが王者のシンボルで景行天皇に差し出した記録があるので、三種の神器のアイデアはもともとは大和政権が北九州を勢力下においたときに降りれた可能性があります。


■藤原鎌足
藤原仲麻呂が編纂した「藤氏家伝」に中臣鎌足は大和国高市郡藤原で生まれたとあり、地名から藤原とつけたようです。


■遣唐使
円仁の10年におよぶ旅行記が有名ですが行きは遣唐使船ですが帰りは新羅船で帰っています。円珍が唐に渡った時、遣唐使が断絶していたので生き帰りは唐の商人の船に便乗していました。


■渤海
渤海国は日本海に面していて渤海には面していません。初代国王が唐から渤海郡王(河北省南部)の称号を与えられていたことから国号にしました。

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江戸の災害

 【書 名】江戸の災害
 【著 者】フレデリック・クレインス
 【発行所】講談社現代新書
 【発行日】2019/12/20
 【ISBN 】978-4-06-518179-9
 【価 格】960円


地震や大火など歴代のオランダ商館長の日記に江戸時代の災害の記録が残っていて貴重な資料になっています。


■車長持の禁止
車長持というのは、いざという時に荷物を持ち出せるように長方形の木箱に車輪がついていました。大火となると江戸の庶民はこの車長持を持ち出したので避難経路が大混雑することになります。五代将軍綱吉の時には車長持の避難を禁止しましたが完全にはなくならなかったようで次の家宣の時代に車長持の製造自体が禁止となります。


明暦の大火では商館長ワーヘナールが将軍謁見のために江戸に来ており、この大火に巻き込まれて泊まっていた長崎屋も燃え九死に一生を得ます。江戸城の天守閣まで燃える大火でした。


■粥施行
明暦の大火が鎮まった翌日から江戸6ケ所で粥を提供する救済措置が行われていました。商館長も非カトリックの世界でこんな福祉事業があるのだと感動して記録しています。


■下賜金
阪神大震災で家を失った人達などへの公的支援がなかったことから、できたのが被災者生活再建支援法です。江戸時代は幕府から町屋の間口の間数に応じて下賜金が出て、これが再建資金となりました。長崎屋の場合、3500匁(700万円ほど)が出たようです。江戸復興に20年はかかるとワーヘナールは思っていましたが、次の商館長ブヘリヨンが江戸へ来た時には主要な通りの建物はだいぶ復興されていました。


■光格天皇
京都天明の大火では御所も焼けて光格天皇は聖護院に避難せざるをえませんでした。庶民が食べる米を食べないといけないなど、この経験が貧民救済への強い思いを持つ君主になるきっかけだったようです。


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2020/01/11

江戸の奇才

 【書 名】江戸の奇才
 【著 者】河合 敦
 【発行所】サンエイ新書
 【発行日】2019/11/22
 【ISBN 】978-4-7796-4043-8
 【価 格】880円


■田中久重
佐賀藩で蒸気船「凌風丸」やアームストロング砲を作り上げた人物。幕末に海外渡航もしており上司に従って軍艦購入のために長崎に行きましたが、よい蒸気船がなかったので上司について上海に渡っています。高杉晋作も上海を訪れているので海外を見た日本人は意外に多いようです。


明治になり電信機を作る工場を作り、弟子で養子の田中大吉に受け継がれ、芝浦に作ったのが田中製造所で、これが芝浦製作所(東芝)になっていきます。


■武田斐三郎
五稜郭を造った人物ですが,航海にもたけていてロシアまで行って交易を行っています。日本人が自ら船を仕立てて交易に出向いたのは朱印船貿易以来、250年ぶりでした。


■華夷変態
明が女真族の清朝に滅ぼされたことで、漢民族にも弁髪を強要したため日本では中国はもはや中華ではんく、日本こそが本当の中華という思想


■河田小龍
坂本龍馬と「人材をつくるのは君に任せよう。わしはこれより、船を得ることに専念する」といわしめた人物。海援隊に弟子を送り込むなど協力しました。もともと画家なので晩年、琵琶湖疎水の工事記録を残しています。


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