2020/07/05

永青文庫の古文書

 【書 名】永青文庫の古文書
 【著 者】熊本大学永青文庫研究センター
 【発行所】吉川弘文館
 【発行日】2020/05/10
 【ISBN 】978-4-642-08386-7
 【価 格】1,800円


熊本藩細川家に伝わる古文書です。


■明智光秀
高嶋田中城で籠城していたことが分かっており、足利将軍家の足軽衆でした。細川藤孝の中間だったという記録もあり、光秀が田中城で薬の調合法を伝えた沼田勘解由左衛門尉の妹は細川藤孝の妻という関係でした。


■足利義昭追放
天正元年(1573)に決裂しますが、細川藤孝が間に入って和睦の交渉をしていました。ギリギリまで交渉していましたが最後は義昭側から断交したようです。


■戦の動員
支配地から動員するには石高制で実施し、明智光秀などの領国支配によって形成されていきますが、信長の動員は旧態依然としたままで知行高で動員するのではなく光秀にみあった軍功を暗黙に要求して成果を評価していました。これは直臣大名を動員する信長の権力と、知行地から動員する直臣大名の権力にずれがあり矛盾が拡大していくことになります。


■細川藤孝
元亀二年(1571)、信長は勝竜寺要害の普請に動員する権利を与えており、この頃には主従関係ができていたようです。


■葡萄酒
山ぶどうの一種「がらみ」を原料にして黒大豆を発酵させた葡萄酒を寛永4~7年に作っていましたが、目的は薬として効用です。ただキリシタン禁止がすすむとキリシタンとのイメージが強いため製造をやめました。他にもアヘンを作っていたようです。中津の下村己安(いあん)という医者が病気になった時に医師を派遣して服用したようですが、この下村という医者は山本勘助の孫にあたるそうです。

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2020/07/01

梅棹忠夫の「日本人の宗教」

 【書 名】梅棹忠夫の「日本人の宗教」
 【著 者】梅棹忠夫
 【発行所】淡交社
 【発行日】2020/05/06
 【ISBN 】978-4-473-04398-6
 【価 格】2,200円


梅棹忠夫生誕100周年記念ということで幻で終わった構想ををよみがえらせた本です。


■日本人の宗教観
各宗派が報告する信者数を足すと人口の2倍ほどになります。クリスマスパーティをして除夜の鐘を聞いて初詣に行く不思議な民族です。宗教とは教義があり経典があり儀礼があり施設があります。ただ信心している人に聞いてもいったい何を信心しているのか分かっていません。


■宿曜教(すくようきょう)
インドの占星術を取り込んだ中国の仏典で空海が持ちこんだと言われています。日曜日は密日でした。道教は部品で仏教というブランドで日本に輸入された時に中身のかなりの部分が道教になっていました。他に儒教もまぎれこんでおり、これが仏教と理解しているものです。


■神前結婚式
神は人事には介入しないので人前結婚が中心でしたが明治20年代に千家尊福(出雲大社)がキリスト教の影響を受けて始めたのが最初のようです。


■仏教の誕生
教義のあらそいで上座部仏教と大衆部仏教に分離します。大衆部仏教はインド北部から西域、中国へと伝播。上座部仏教はセイロンから東アジアへ伝播します。また上座部仏教では檀家制度はなく自分の気に入った寺で修行し、寺側もお布施を誰からもらってもかまいません。


キリストはアラム語(ヘブライ語にちかい)で説教していましたが、新約聖書はコイネー・ギリシャ語で書かれています。

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2020/06/27

サイバー攻撃 ネット世界の裏側で起きていること

 【書 名】サイバー攻撃 ネット世界の裏側で起きていること
 【著 者】中島明日香
 【発行所】講談社ブルバックス
 【発行日】2018/01/20
 【ISBN 】978-4-06-502045-6
 【価 格】1000円


■Morris Worm(1988)
マルウェアはMalicious software(悪意のあるソフトウェア)で、Morris Wormが出現したのはARPANETの時代。脆弱性を使ってARPANETの10%に侵入したと言われています。これを契機にCERT/CCがカーネギーメロン大学に生まれます。


■Blaster(2003)
Windowsに存在したバッファーオーバーフローの脆弱性をついて800万台以上のコンピュータに感染します。


■クロスサイトスクリプティング
IPAの報告では半数以上がクロスサイトスクリプティング攻撃でした。脆弱性があると<script>alert(document.cookie)</script>というJavaScriptを入力するとCookieを引きdして成りすますことができます。


■SQLインジェクション
ユーザ名に「admin」パスワードに「'OR`A`=`A`」といれると全て成り立つのでパスワードパスとなります。


■バウンティハンター
アメリカには逮捕した被疑者の保釈金を立て替える保証業者がいます。被疑者が裁判を受ければ裁判所から保釈金が返されますがなかには逃げるやつがいます。これを捕まえるのがバウンティハンター(賞金稼ぎ)です。セキュリティの世界にも同じように脆弱性報奨金制度があります。始まりは1995年のネットスケープ社でロゴ入りマグカップとTシャツを贈呈していました。


脆弱性情報を買い取るなかにはIPSメーカーもいます。競合に対して差別化できます。iOSの脆弱性をつく攻撃コードの買い取り価格は150万ドルになります。


■Stuxnet
イランにある核施設をターゲットにし、最初はUSBメモリーから拡がるようになっていました。Windowsがもつ5件の脆弱性をつき4件が未知でした。またドイツのシーメンス社が提供する制御ソフトを感染させるようになっており、このソフトはPLCによく使われていました。


■Cyber Grand Challenge
2016年Mayhemが優勝し、優勝賞金は約2億円。人間を介さない全自動サイバー攻撃戦いです。脆弱性の発見から攻撃コードの作成まで全自動で行います。

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新人諸君!できる営業になる50のコツ

 【書 名】新人諸君!できる営業になる50のコツ
 【著 者】駒井俊雄
 【発行所】セルバ出版
 【発行日】2020/04/10
 【ISBN 】978-4-86367-570-4
 【価 格】1600円


知り合いがコロナ禍のなかに出版した本です。前作は「廃業寸前が世界トップ企業になった奇跡の物語」(ぱる出版)でした。


■優秀な営業の条件は誠実さ
競合他社の商品でも顧客が最も必要にしているなら素直に薦めるのが営業の矜持です。「昔はよかった」「昔はもっと売れた」と言っているのは中途半端な営業の単なる記憶の改ざんにすぎません。


■全数訪問
すべての見込み客を訪問することで昔から効果は絶大。目的は地域を理解することで売り込まないし、長引かせないのが鉄則


■プレゼンの基本パターン
結論を先に言う → 理由を3つにまとめて伝える → データや実績で補完する


■タイミングを考える
季節性 -消費財など季節性がある商品は提案時期がよみやすい
予算時期-業界ごとの予算決定時期を考える
買い替え時期-メンテナンス担当と連携をとり、買い替え時に提案
緊急需要-緊急対応に強い会社というイメージを伝え声がかかるようにする

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2020/06/18

パーマネント神喜劇

 【書 名】パーマネント神喜劇
 【著 者】万城目 学
 【発行所】新潮文庫
 【発行日】2020/05/01
 【ISBN 】978-4-10-120662-2
 【価 格】590円


小さな社の縁結びの神様を巡る物語。千年前から小さな神社を守っていますが昇進試験やらいろいろなトラブルに巻き込まれます。万城目ワールドが満載の物語です。

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2020/06/13

戦国武将の叡智

 【書 名】戦国武将の叡智
 【著 者】小和田哲男
 【発行所】中公新書
 【発行日】2020/05/25
 【ISBN 】978-4-12-102593-7
 【価 格】820円


■勝って兜の緒を締めよ
天文10年(1541)年の北条氏綱の遺言状「北条氏綱公御書置」に「勝て甲の緒をしめよという事、忘れ給うべからず」と出てきます。冒頭には「大将によらず、諸侍ども、義を専らに守るべし」とあり、「末世に後ろ指ささるる恥辱」は当時の武士にとっていやなものでした。


■柴田合戦記
秀吉は広報宣伝がうまく明智光秀に勝った時は「惟任退治記」を出し、北庄城で柴田勝家に勝った時に書いたのが「柴田合戦記」です。柴田勝家の最後も詳細に書かれていますが、これは柴田勝家が老女に状況を目撃してから敵に語るように命じたからです。また秀吉は縁がない諸将にも戦勝報告をしており、いわばダイレクト・メール作戦です。


■築城
地選(ちせん) 城地の選定
経始(けいし) 縄張
普請      堀、土塁などの土木工事
作事      建物、門、櫓なのの建設工事


■名称の条件
朝倉宗滴によれば名将とは一度大敗北を喫したものをいうとあります。武田信玄も七分勝ちが最高の勝ち方と言っておりました。


褒め上手だったのが加藤清正で重臣に飯田覚兵衛がいて、戦に出ていやだと思うところに清正が来て褒めるため、ずっと戦い続け、「一生、清正にだまされてきたようだ」と述懐しています。


■釈迦の間の異見会
黒田長政が武士であれば足軽でも月に3日、長政が部屋に詰めているので直接、意見を言いに来いと決めていました。お釈迦さんの絵が飾ってあったので釈迦の間の異見会と言われました。


■最上と伊達
国境に近い中山近辺で最上義光と伊達政宗が対立した時、伊達政宗の母で最上義光の妹だった義姫は中山へ行き、和議がなるまで動かないと実力行使に出ます。80日間も動かなかったため最上義光が根負けし和議となりました。


■首供養
戦とはいえ首を取られた側は祟ると考えられていました。そこで行われたが首供養。大将首は別ですがそれ以外は33ごとに供養するのが基本だったようです。僧侶が陣僧として従軍していたので読経してもらい、首供養が終わると集めて首塚が作られました。

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2020/06/12

椿井文書 日本最大級の偽文書

 【書 名】椿井文書 日本最大級の偽文書
 【著 者】馬部隆弘
 【発行所】中公新書
 【発行日】2020/03/25
 【ISBN 】978-4-12-102584-5
 【価 格】900円


近畿一円に流布している偽文書。書いたのは椿井正隆という人物。


■津田城
郭が山頂になく大和側に向かっては土橋や土塁などがありますが、大坂側には防御施設はなく変わった城跡。どうも山岳寺院跡だったようです。三好三人衆と松永久秀が争った時には陣城として使われた可能性はあります。地域では富農がもともとは武士だったといった系図を求めている背景があり、椿井正隆はそれらしい文書を出していました。しかも相互に関連する文書が多く、ダブルチェックしても大丈夫なようになっています。


■興福寺官務牒疏(こうふくじかんむちょうそ)
興福寺に関係する221の寺社名が書かれていますが、これも椿井文書の一つ。興福寺の勢力が中世、大きかったという時に参照されていましたが偽書でした。王仁の墓も古墳ではなく自然石の墓でどう考えてもおかしいのですが、椿井文書の影響で市史にも掲載されています。地域おこしとくっついてしまった事例です。


■並河誠所(なびかせいしょ)の「五畿内志」
享保20年(1735)に出たのが「五畿内志」で、並河誠所が式内社を比定していました。あやふやなところも多く、これも利用して偽文書が作られました。

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2020/06/07

キリシタン協会と本能寺の変

 【書 名】キリシタン協会と本能寺の変
 【著 者】浅見雅一
 【発行所】角川新書
 【発行日】2020/05/10
 【ISBN 】978-4-04-082338-6
 【価 格】900円


信長、光秀の両方に会っていたのが宣教師。報告書を日本人は読めませんので忖度する必要はありません。「信長の死について」書かれたフロイトの書簡から読み解いています。


■天正4年(1576) 安土城築城
信長はオルガンティーノに土地と資材までも与え教会作りを支援
天正9年に巡察師ヴァリニャーノがセミナリオ建設を指示し翌年に完成


■天正10年(1582年)
2月14日(西暦3月8日)夜10時に東の空が明るくなり安土城の上が赤くなる。朝まで続き豊後でも目撃された模様。信長は意に介さず武田攻めへ
5月14日(西暦4月22日)夜9時に彗星があらわれる 数日間続き 数日後の正午に安土に空から彗星のような物が落下
6月2日(西暦6月21日)本能寺の変 未明に発生し安土に伝わったのは正午頃


明智光秀は高山右近やオルガンティーノが自分に味方しないことは分かっていたようですがキリスト教とは近い関係がありオルガンティーノは坂本城で光秀の息子(十五郎)とも会って便宜をはかってもらっています。


6月12日(西暦7月1日)山崎の戦い 中川清秀が山上、池田恒興が淀川沿いを進軍。高山右近軍が山崎にいたところ偶然、光秀軍と遭遇した模様で中国大返しをしてきた秀吉軍は疲れていて到着できなかった模様。敗走した光秀軍は長く京都の教会では全部、通過するのに2時間かかったと記録されています。


■本能寺の変
光秀の妹で信長の側室だった御ツマキが天正9年8月に亡くなったこと、明智十五郎(嫡子)に対するなんらかの処分を避けるためではないかという説に言及しています。

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2020/05/30

京都まみれ

 【書 名】京都まみれ
 【著 者】井上章一
 【発行所】朝日新書
 【発行日】2020/4/30
 【ISBN 】978-4-02-295063-5
 【価 格】810円


■洛中
京都人は洛中というと二条通~五条通という狭い範囲で考えていますが、東京も同じで有楽町マリオンがオープンする時に銀座の名前をつけようとしましたが銀座の商店街が認めなかったようです。銀座は1丁目から8丁目まであり8丁目の隣に外堀がありました。今は埋められましたが銀座9丁目は非公式名称で銀座ナインが建っています。ただ銀座はもともと家康が京都の伏見に作り、次に駿府にも作って江戸の銀座は3番目でした。


室町幕府で地方から出てきた大名が駐屯したところが今の中京です。ところが大名が領国に戻ると間が空きます。上京と下京に分かれることになり下京が洛中の意識になります。


■西陣祭り
京都で”この間の戦争”というと応仁の乱の話が出てくると言われていますが、西陣などでは本当にそう思っているようです。応仁の乱が1477年11月11日に集結しましたが、この11月11日を記念して西陣祭りが行われています。また「応仁の乱」がベストセラーになりましたが、自分の先祖の話が出ていると京都の居酒屋で話題になったそうです。老舗を継がすために京大ではなく同志社に行かせる京都ならではの話ですね。


■西京
維新後に京都が西京と呼ばれた時代がありました。西京味噌などに名前が残っています。京都府立大学も発足当時は西京大学という名前でした。また東京と西京の間だったのが中京です。


■舞鶴
もともとは田辺でしたが維新後に地名を区別することになり紀州に田辺があるので舞鶴に改名されました。田辺城の通称が舞鶴城でした。

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ない仕事の作り方

 【書 名】ない仕事の作り方
 【著 者】みうらじゅん
 【発行所】文春文庫
 【発行日】2018/10/10
 【ISBN 】978-4-16-791166-9
 【価 格】660円

■ない仕事を作る
ドラッカーが”仕事を顧客の創造”と定義していますが実際にやっているのが、みうらじゅん氏です。自分で面白いものをコレクションしていますが、コレクションしたら書籍やイベントに昇華させて仕事にします。そこで編集者を接待することが重要です。一人電通として編集者として飲みに行き、相手が気持ちよい時に企画を売り込みます。また大学卒業後、知り合いになった雑誌の編集部によく出入りして、誰かの原稿が落ちた時のピンチヒッターになることもやっていました。

■ネーミング
ほとんど本数がないバス時刻表に「地獄表」というネーミングすると、そんな場所に行きたくなります。またインターネットに出てこない言葉を探します。例えば古い日本人形のコレクションをフィギュアと和風をあわせて「フィギュ和」という言葉を考え検索するとヒットしません。ないので新しいジャンルになり自分が一番詳しい状況になります。いろいろな情報発信を続けていくと、勝手に独自の意見を言い出す人が増えます。これがブームとなります。

■ぴあ現象
電子辞書が普及したことの弊害に「隣の文字を調べない」があります。インターネットがない時代にイベントを調べる時に便利なのが「ぴあ」でした。ある日、読んでいると「キムチ前田」という名前を見つけます。誰のイベントを調べたかは忘れますがキムチ前田の名前はずっと頭に残っています。本来の目的を調べている時に思わぬ何かが見つかるということがよくあり、これが重要です。

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